車両保険を使うと等級はどのくらい下がる?補償内容ごとの影響をわかりやすく解説

自動車保険

車の保険を利用する際に多くの人が気にするのが「等級がどのくらい下がるのか」という点です。特に、車両保険や対物賠償、搭乗者傷害などの補償を使ったときに、どのような影響があるのかを知っておくことは、保険料を賢くコントロールするうえで大切です。この記事では、補償別に等級ダウンの仕組みと注意点を詳しく解説します。

自動車保険の「等級」とは?仕組みを理解しよう

自動車保険では、契約者の事故歴に応じて「等級」が決まります。通常は新規契約時が6等級から始まり、無事故なら毎年1等級ずつ上がっていき、保険料も割引されます。逆に事故を起こして保険を使うと、等級が下がり翌年以降の保険料が高くなる仕組みです。

等級は1等級から20等級まであり、20等級が最も割引率が高い状態です。たとえば20等級ではおよそ60%前後の割引が適用される一方、6等級では割引率が低く、場合によっては割増となります。

車両保険を使うと等級は何段階下がる?

車両保険を使った場合、原則として「3等級ダウン事故」として扱われます。たとえば20等級の人が事故で車両保険を利用すると、翌年は17等級になります。さらに、翌年から3年間は「事故有係数」が適用されるため、保険料の割引率も下がります。

ただし、保険会社によっては「免責金額(自己負担分)」を設定しており、小さな修理費用の場合は保険を使わずに自己負担した方が結果的に得なケースもあります。たとえば修理費が10万円で、免責5万円の場合、保険を使うことで翌年以降の保険料が数万円上がるなら、自己負担の方が合理的です。

対物賠償保険を使った場合の等級ダウン

対物賠償保険は、他人の車や建物などに損害を与えた場合に使われます。これを使用した場合も、原則「3等級ダウン事故」に該当します。ただし、相手側と示談が成立し、保険会社が支払いを行わなかった場合は、等級に影響しないこともあります。

例えば、ガードレールにぶつけて修理代を保険で支払った場合は3等級ダウンとなりますが、軽い擦り傷などで自腹で修理した場合には等級は下がりません。

搭乗者傷害保険・人身傷害保険を使う場合

意外と知られていませんが、搭乗者傷害保険や人身傷害保険を利用しても、原則として等級は下がりません。これらの保険は「人」に対する補償であり、事故の損害を補填しても契約の等級に影響を与えない仕組みです。

たとえば、事故で自分や同乗者がケガをした場合に人身傷害保険から治療費や休業損害を受け取っても、等級はそのまま据え置きになります。

ノーカウント事故になるケースもある

保険を使っても「等級が下がらない例外」があります。これを「ノーカウント事故」と呼びます。代表的な例として、

  • 車両盗難
  • 飛び石によるガラス破損
  • 台風や洪水などの自然災害
  • 動物との接触事故

などがあります。これらは契約内容にもよりますが、保険金が支払われても等級が下がらない特例が適用されることがあります。

例えば、走行中に飛び石でフロントガラスが割れた場合、保険を使って修理しても等級は据え置きとなるケースが多いです。

事故後の保険利用は慎重に判断を

事故を起こした直後は動揺しており、つい「とりあえず保険を使おう」と考えてしまいがちです。しかし、保険を使うことで翌年から数年間の保険料が上がる可能性があるため、まずは修理見積もりを取り、保険会社や代理店に「保険を使うべきか」相談しましょう。

また、事故の内容によっては自費修理や示談対応の方が結果的に負担が少ない場合もあります。信頼できる保険担当者に相談し、総額での損得を冷静に判断することが大切です。

まとめ:補償内容ごとに等級ダウンの影響を理解しよう

車両保険や対物賠償を使うと「3等級ダウン」となりますが、人身系補償では等級は下がりません。また、自然災害や飛び石などの一部例外はノーカウント事故として扱われることもあります。補償の内容を正しく理解し、保険を使う・使わないの判断を慎重に行うことが、長期的に保険料を抑えるコツです。

事故対応や修理費の見積もりで迷った際は、保険会社の相談窓口や専門代理店に早めに確認することをおすすめします。状況に応じた最適な対応をとることで、無駄な出費を防ぐことができます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました