日銀当座預金の原資は何か?仕組みと誤解されやすいポイントを解説

貯金

「日銀当座預金」という言葉はニュースや金融の話題でよく登場しますが、その正体や原資については誤解されていることも多くあります。この記事では、日銀当座預金の基本的な仕組みや、その資金源が何か、個人預金との関係はどうなっているのかをわかりやすく解説します。

日銀当座預金とは?

日銀当座預金とは、民間銀行が日本銀行に開設している無利子または低利の口座のことです。これは銀行間決済などに利用され、日本の金融システムの中核を担う存在です。

たとえば、銀行Aから銀行Bへの振込があると、現金を動かさずに、日銀当座預金の口座内で残高が移動する仕組みとなっています。

日銀当座預金の原資はどこから?

誤解されやすい点ですが、日銀当座預金の原資は「個人の預金」そのものではありません。直接的には、以下のような手段で供給されます。

  • 日本銀行が民間銀行に対して資金供給を行う(公開市場操作や国債の買い入れ)
  • 銀行が日銀に現金を預け入れる
  • 政府の資金移動(国庫預金など)

つまり、民間銀行が日銀から資金を得る際、その背景に個人預金がある場合もありますが、それはあくまで間接的な関係であり、日銀当座預金の原資=個人預金というわけではありません。

個人の預金と日銀当座預金の違い

銀行が保有する顧客の預金(たとえば普通預金)は、バランスシート上で「負債」として計上され、日銀当座預金は「資産」として扱われます。

つまり、銀行にとっては「顧客から預かったお金」と「中央銀行に預けているお金」は別物として管理されており、流動性や金融政策の運用上の位置づけも異なります。

日銀の金融緩和と当座預金の増加

近年の「量的・質的金融緩和」によって、日銀は民間銀行から大量の国債を買い入れ、その代金を日銀当座預金に振り込んでいます。この結果、銀行の当座預金残高が膨らんでいます。

たとえば2020年以降、新型コロナ対応で行われた追加緩和により、日銀当座預金の残高は急増しました。これは金融システムの安定を図るための措置であり、直接的に「個人の預金が使われている」わけではありません。

誤解を避けるためのポイント

「銀行の預金=日銀当座預金」といった単純な図式では語れません。以下の点を押さえると理解が深まります。

  • 日銀当座預金は民間銀行が日銀に持つ口座で、金融政策のツールでもある
  • 原資は金融市場の操作や資産買入れによって増減する
  • 個人預金は銀行の信用創造の源になるが、日銀預金の原資ではない

そのため、「預金が勝手に日銀に使われている」といった懸念は誤解であるといえます。

まとめ:日銀当座預金は金融システムの中枢機能

日銀当座預金は、銀行間の決済や金融政策の運用を担う重要な制度です。個人の預金とは直接関係はなく、原資は日銀による資金供給が中心です。金融リテラシーを高めるためには、こうした金融インフラの仕組みを正しく理解することが重要です。

より詳しい内容は日本銀行の公式サイトなどで確認するのもおすすめです。[参照:日本銀行公式サイト]

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