自賠責保険で「13ヶ月残し」とは?更新時に知っておくべき制度と実務上の対応

自動車保険

自動車保険業務に関わっていると、「13ヶ月残しで自賠責を作成してください」といった依頼に戸惑うこともあるかもしれません。これは、車検や整備、登録など実務的な場面で頻出する言い回しで、正しく理解することで円滑な対応が可能になります。

「13ヶ月残し」とはどういう意味か?

「13ヶ月残し」とは、自賠責保険を現在の契約終了日から13ヶ月前倒しして新たに契約する、という意味ではありません。むしろこれは、「現在の自賠責保険が10月まで残っているが、新たな保険証券を明日(たとえば5月)から13ヶ月間有効な形で発行してほしい」という依頼です。

つまり、車検や登録のタイミングで必要になる新しい自賠責保険証明書を、現契約の満了を待たずに作成してもらいたい、という実務上の要請です。

なぜ13ヶ月の期間で作成するのか?

一般的に、車検の有効期間は「2年間」や「1年間」など車種によって異なりますが、自賠責保険は車検期間を1ヶ月超える「25ヶ月(普通車)」などで契約されるのが通例です。

しかし、登録や車検の前に必要となる保険証明書を用意するため、現在の保険がまだ有効な状態でも、あえて先行して「13ヶ月」や「25ヶ月」など必要な分を新たに契約するケースがあります。この13ヶ月というのは、軽自動車の継続検査に多く用いられる期間です。

重複期間が生じても問題ないのか?

このような先行契約では、前の契約と新契約の間に重複する期間が生じます。たとえば、既契約が10月満期でも、5月から13ヶ月間の新契約を組めば5〜10月が重複します。

この点について、自賠責保険では重複契約は問題ありません。ただし、重複している期間分の返金や免除は基本的にありません。したがって、必要な手続きのためとはいえ、実質的に保険料の二重払いになることは理解しておく必要があります。

どんな場面で「13ヶ月残し」が求められるか?

以下のような実務シーンで「13ヶ月残し」のような依頼が発生します。

  • 車検証がまだ更新されておらず、新自賠責証明書が必要なとき
  • 名義変更や登録手続きの際に、新しい保険期間の証明書が求められるとき
  • 業務フロー上、あらかじめ更新手続きと保険契約を同時に進める必要があるとき

これらの場合、顧客の利便性や行政手続き上の必要性から、保険会社や代理店が柔軟に対応することが一般的です。

まとめ

「13ヶ月残しで自賠責を作成してください」という依頼は、実務上必要とされることの多い先行契約の一種です。現契約の残り期間に関係なく、新たに13ヶ月の契約を前倒しで作成することで、車検・登録・整備などの手続きをスムーズに進めることが目的です。重複期間が生じても制度上は問題ありませんが、返金は基本的にないため、コスト面も理解した上で対応することが求められます。

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