なぜnanacoカードはレンタル店で発行されなかったのか?Tポイント・Pontaと比較して解説

決済、ポイントサービス

コンビニ各社が導入するポイントカードには、それぞれ異なる流通経路や提携背景があります。TカードやPontaカードは、TSUTAYAやゲオといったレンタルショップで発行できることで知られていましたが、nanacoカードはそのような流通経路を持ちませんでした。本記事では、こうした違いの背景にある歴史や戦略についてわかりやすく解説します。

各ポイントカードの提携店舗と発行の歴史

Tカードはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開し、TSUTAYAと連携していたため、自然とレンタル業界で広く普及しました。

同様にPontaカードは、ゲオやローソンを中心に展開され、提携企業が多かったことで、生活圏に浸透しやすいルートが構築されていました。

一方、nanacoカードはセブン&アイ・ホールディングスが独自に開発し、セブン-イレブン・イトーヨーカドーなどグループ傘下店舗限定のサービスとしてスタートしました。

nanacoがレンタル業界と提携しなかった理由

nanacoは2007年にサービスを開始し、Tカード(2003年~)、Ponta(2010年~)と比較すると登場は中間の時期です。後発だからレンタル店で展開されなかったというのは一部正しいように見えますが、本質的にはサービス戦略の違いが影響しています。

nanacoはセブン&アイグループの顧客囲い込みを目的としており、グループ外への加盟店拡大には積極的でなかったのです。レンタル店は基本的にグループ外にあるため、提携が進まなかったと考えられます。

発行・利用のしやすさの違い

TカードやPontaカードは、会員制のレンタルサービスと密接に結びついていたため、サービス開始と同時にポイント制度を導入しやすかったという背景もあります。利用者登録=ポイントカード発行という形で普及が進みました。

nanacoはプリペイド式の電子マネーとしての性質が強く、発行にはセブンイレブン店舗やオンライン申込が必要で、提携店での無料発行という展開はされていませんでした。

セブンイレブンの戦略的な閉鎖性

セブンイレブンは競合と異なり、自社グループ内のエコシステムで顧客を囲い込む戦略を徹底しており、TポイントやPontaのように他企業とのオープンな提携には消極的でした。

この方針は後のPayPay連携でも見られたように、nanacoの外部との親和性が低い要因ともなっています。

まとめ:nanacoは戦略上レンタル店展開をしなかった

nanacoがレンタルショップで発行されなかった理由は、単に後発だったからではなく、セブン&アイの戦略により自社店舗中心の流通設計がなされていたためです。TポイントやPontaのように提携先を広げて発行チャネルを多様化したカードとは、構造的な違いがありました。

それぞれのカードが持つ背景を理解することで、どのポイントカードをどう活用するかの判断がしやすくなるでしょう。

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