消費者金融からお金を借りる際、1社からまとめて借りるか、複数社に分けて借りるか迷う方は少なくありません。どちらも利率が18%と同じであれば「同じ金額なら差はないのでは?」と思いがちですが、実際には審査や返済、信用情報などさまざまな面で違いが生じます。この記事では、その違いと注意点を詳しく解説します。
金利が同じでも返済の手間に大きな差がある
1社で30万円借りる場合と、3社で10万円ずつ借りる場合、利率が同じ18%であれば理論上の利息総額はほとんど変わりません。しかし、毎月の返済の煩雑さには大きな差が出ます。
複数社から借りると、3社分の返済日や返済額を管理する必要があり、1社ごとに最低返済額が設定されるため、月々の負担が増える可能性もあります。返済ミスや延滞のリスクが高くなる点にも注意が必要です。
信用情報に与える影響:件数の多さはリスク要因
金融機関は借入件数が多いと「お金に困っている」「返済能力に不安がある」と判断する傾向があります。信用情報機関には全ての借入が記録され、他のローン審査に影響する可能性があるため、なるべく借入件数は少なくまとめておく方が無難です。
例えば、30万円を1社から借りている人と、10万円ずつを3社から借りている人では、後者の方が「多重債務者」と見なされやすく、住宅ローンや自動車ローンの審査に不利になる場合があります。
借入の柔軟性と対応力の違い
1社にまとめて借りている場合、その後追加で借りたいときに増額審査を申し込めば済むケースが多いですが、3社から借りていると、各社でそれぞれ審査が必要です。また、借入限度額に達していると追加の融資が受けられない可能性もあります。
一方、複数社から借りていると、ある1社に返済不能になったとしても他の社には影響しないという側面もあります。ただしこれはあくまで例外的なメリットで、通常はデメリットの方が大きいと考えてよいでしょう。
利息の合計額を比較してみる
仮に年利18%で借入期間が1年だったとすると、どちらの場合でもおおよそ以下の利息が発生します。
借入パターン | 合計利息(目安) |
---|---|
1社で30万円 | 約54,000円 |
3社で10万円ずつ | 約54,000円 |
このように、金利が同一であれば利息の総額は変わらないものの、返済の管理や信用情報への影響は大きく異なります。
実例:どちらが失敗しにくいか
Aさんは1社で30万円借り、毎月1万円ずつ返済。管理もシンプルで延滞もなし。
Bさんは3社から10万円ずつ借り、毎月3回返済手続きをしていたが、1社の返済を忘れて延滞してしまい信用情報にキズがついた。
このように、実務上は1社にまとめた方が安心でスムーズなケースが多いと言えるでしょう。
まとめ:1社借入の方がシンプルで安全性が高い
利率が同じ18%であっても、1社で借りる方が返済管理がしやすく、信用情報にも有利です。複数社に分けると手間が増えるうえ、将来の審査に悪影響を与えるリスクもあります。
可能であれば1社での借入を検討し、返済計画もシンプルに保つことをおすすめします。どうしても複数社にまたがる場合は、きちんと管理する体制を整えることが重要です。
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