進学にあたり、奨学金の申請を検討する方は多くいらっしゃいます。その中で「初年度は限度額まで借りなければならないのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。結論から言えば、ほとんどの奨学金制度では申請者が希望額を設定できるため、必ずしも限度額いっぱいを借りる必要はありません。本記事では、日本学生支援機構(JASSO)などの主要な奨学金制度における借入額の設定や注意点について詳しく解説します。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度とは
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、日本で最も利用者の多い制度の一つで、第一種(無利子)と第二種(有利子)に分かれています。どちらの奨学金も、申込時に毎月の貸与額を選択することができます。
たとえば、第二種奨学金では「2万円~12万円」の範囲で選択可能で、後から金額を変更することも可能です(一定の条件・申請時期あり)。
奨学金の限度額とは?必ず借りないといけないの?
奨学金の「限度額」とは、その制度が認める最大の貸与金額のことを指します。ただし、この限度額は借入上限であって、強制されるものではありません。申込時に自分の希望する額(上限以内)を自由に選択できます。
例えば、大学1年生で「第二種 5万円/月」を選んだ場合、実際には12万円まで可能でも、希望すれば5万円のままで借りられます。
一部の学校独自の奨学金では制限があることも
まれに、一部の私立大学・専門学校などでは、入学年次の学費支払いを円滑にするため「初年度に限度額まで借りておくことを推奨」するケースがあります。これは制度上の強制ではなく、学校側の事務手続きや経済的な事情を考慮した運用に過ぎません。
そのため、こうした案内がある場合でも、学生自身が希望額を見直すことは可能であり、無理に上限額を借りる必要はありません。
金額を選ぶときのポイントと注意点
奨学金は「借金」であるため、返還計画を見据えて適正額を設定することが大切です。特に第二種は利子が付くため、必要以上の金額を借りると将来的に負担が重くなる可能性があります。
実際にあった例では、「大学生活に余裕を持ちたくて上限額を借りたが、使い道が曖昧で結果的に余計な支出が増えた」というケースも報告されています。本当に必要な金額かどうかをしっかりと検討することが大切です。
変更や辞退も可能|柔軟な制度設計
JASSOの奨学金は、一度申請しても後から金額を変更したり、辞退することが可能です。変更には時期や手続きの制限があるため、進学先の奨学金担当窓口に早めに相談することをおすすめします。
なお、毎年の継続願(継続確認手続)でも変更希望を出すことができるため、年度ごとに家庭状況や学費の変化に応じて調整することが可能です。
まとめ|奨学金は「借りすぎず、必要な分だけ」が基本
奨学金の初年度に限度額まで借りる必要があるかというと、基本的には本人の希望による選択制であるため、強制ではありません。金額設定は慎重に行い、必要に応じて学校や支援機構の窓口に相談することが大切です。
特に返済のことを考慮しながら、無理のない計画で奨学金を活用しましょう。
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