社会保険に加入することで、年金や健康保険などの福利厚生を受けることができますが、その仕組みについて疑問を持っている方も多いでしょう。本記事では、厚生年金と国民年金の違い、費用の負担額、そしてどちらが「お得」なのかについて詳しく解説します。
1. 厚生年金と国民年金の基本的な違い
まず、厚生年金と国民年金は、それぞれ異なる社会保険制度に基づいています。国民年金は、日本に住むすべての人が加入しなければならない基礎年金であり、主に自営業者やフリーランスの方が支払うことになります。
一方、厚生年金は、企業などに勤める従業員が加入する年金制度で、企業が従業員のために保険料を半分負担するという特徴があります。給与から天引きされる形で支払われ、従業員が払う負担額は個人の給与に応じて変動します。
2. 厚生年金の負担額とその内訳
厚生年金において、給与から天引きされる保険料は、基本的に労働者と企業が折半で支払います。2024年4月現在、厚生年金保険料率は18.3%です。例えば、月給が30万円の場合、保険料は30万円×18.3%=54,900円となり、この金額を労働者と企業で折半し、それぞれ27,450円ずつ支払います。
つまり、企業が負担する分を含めると、厚生年金の実際の費用はかなり高額になりますが、保険料の半分は企業が負担してくれるため、従業員にとっては実質的に負担額が少なく済むというメリットがあります。
3. 国民年金の負担額とその仕組み
国民年金は、フリーランスや自営業者、または社会保険に加入していない方が支払う年金です。2024年4月からの国民年金の月額保険料は16,980円です。国民年金の特徴としては、厚生年金とは異なり、全額自己負担となる点です。
したがって、国民年金は加入者自身が全額支払う必要があり、毎月16,980円を支払わなければなりません。給与所得者であれば、厚生年金に比べて保険料の負担が重く感じることもあります。
4. 国民年金と厚生年金はどちらが「お得」か?
国民年金と厚生年金を比較した場合、一般的に「お得」と感じるのは厚生年金です。なぜなら、厚生年金は企業が半分負担してくれるため、実質的に負担額が低くなるからです。さらに、厚生年金は、国民年金に加えて、企業負担分も含まれているため、将来受け取る年金額も増える可能性があります。
また、厚生年金の給付額は、給与に基づいて計算されるため、収入が高いほど将来の年金額が増えるという点もあります。一方で、国民年金はすべての加入者が一律の月額保険料を支払うため、収入が少ない場合でも支払額は変わりません。
5. 会社での厚生年金加入と脱退の手続きについて
企業で働く場合、厚生年金に自動的に加入することになりますが、脱退する場合には、基礎年金番号の提出が必要です。しかし、実際には会社で厚生年金から脱退することは非常に難しく、通常はそのまま加入し続けることが一般的です。
もし会社を辞めた後に、フリーランスや自営業者として働く場合は、国民年金に切り替える必要があります。この場合、退職後に自分で国民年金の保険料を支払うことになりますが、将来的に厚生年金に加入することはできません。
6. まとめ:厚生年金と国民年金の選択肢
厚生年金と国民年金は、それぞれにメリットとデメリットがありますが、一般的に企業で働いている場合は、厚生年金の方が「お得」とされます。なぜなら、企業が保険料を折半してくれるため、自己負担額が少なく済むからです。
一方、国民年金は全額自己負担であり、将来的な年金額も一律であるため、収入が高い人にとっては不利になる場合があります。どちらが自分にとって最適かを考え、必要に応じて手続きを行いましょう。
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