扶養内パートでも住民税はかかる？所得割が発生する年収ラインと注意点を解説

パートで働く方の多くが気になるのが、年収と住民税の関係です。とくに「扶養内で働いているつもりでも住民税が引かれた」「年収が上がったら所得割もかかるの？」といった疑問は非常に多いです。この記事では、住民税の仕組みや所得割がかかる年収ラインについて、具体的に解説します。

住民税には「均等割」と「所得割」がある

住民税は大きく分けて「均等割」と「所得割」の2つに分かれています。
・均等割：住民全員が一律で支払う部分。年間約5,000円前後。
・所得割：前年の所得に応じて課税される部分。

たとえば、前年の年収が104万円だった場合、住民税の非課税ラインをわずかに超えている可能性があり、均等割だけが発生するケースがあります。

扶養内であっても、一定の収入を超えると住民税が発生します。具体的には以下の通りです（自治体によって若干異なります）。

たとえば、年収が130万円程度になると、所得割が発生する可能性が高いです。住民税の計算には「給与所得控除」や「基礎控除」などが影響します。

たとえば、給与収入130万円の方の場合、
・給与所得控除：55万円（2023年基準）
・所得控除（基礎控除）：43万円
よって、課税対象の所得は32万円となり、これに対して所得割がかかる可能性があります。

仮に所得割率10％と仮定すると、3万2,000円 × 10％ = 3,200円程度が所得割となり、均等割（5,000円程度）と合わせて、年約8,000円前後の住民税がかかる見込みです。

よくある誤解として「扶養に入っているから住民税は非課税になる」と思われる方がいますが、これは間違いです。

配偶者の扶養に入っていても、本人の所得が一定以上であれば、住民税は本人に課税されます。扶養というのは、配偶者の税制上のメリット（配偶者控除など）や健康保険上の話であり、本人の住民税とは別問題です。

パート勤務で源泉徴収されていない場合、住民税は翌年6月以降に市区町村から納付書が届き、普通徴収で納めるケースが一般的です。

月々分割で納付する「期別納付」や、まとめて支払う「全期一括納付」などがあり、支払期限を過ぎると延滞金が発生するため注意が必要です。

扶養内で働いていても、年収が130万円程度になると、住民税の均等割＋所得割がかかる可能性が高くなります。非課税ラインを意識しつつ、自治体の住民税制度や収入の見通しをもとに、事前にシミュレーションしておくことが重要です。

特に、翌年の手取り額に影響するため、働き方や収入調整の参考にしてみてください。