整形外科でオーダーメイドのインソールを作成した際、「一旦全額実費で支払うが、後日保険請求すれば戻る」と案内されることがあります。しかし、実際に還付された金額が予想より少ないと感じた場合、「保険の適用範囲」や「助成制度の仕組み」が関係している可能性があります。本記事では、協会けんぽ(健康保険)と障害医療証の両方がある場合のインソール費用の還付について、わかりやすく解説します。
協会けんぽでの装具(インソール)費用の取り扱い
協会けんぽでは、医師の指示があり、医療上必要と判断された装具(インソールやコルセットなど)について、療養費制度に基づき一定額が還付されます。支給額はおおむね費用の7割(被保険者本人が義務教育就学前であれば8割)となっており、医療機関が発行する領収書や医師の証明書を添えて協会けんぽに申請します。
たとえば、インソールの作成に30,000円かかった場合、21,000円程度が還付されるのが一般的です(※実際の支給額は保険点数や審査の結果により異なります)。
障害医療証の対象範囲と限度額
障害医療証は、医療費の自己負担分(1割または2割)を軽減する制度です。ただし、装具費や療養費として一括払いを行った費用については対象外となるケースが多く、原則として「通常の診察・治療に伴う医療費」が対象です。
今回のように「協会けんぽで7割還付されたあと、障害医療証でさらに返金される」と思っていても、装具費については障害医療助成の対象にならない場合があり、500円などの最低限の助成額に留まるケースがあります。
インソール費用還付の実例と内訳
実際にあった事例として、次のような内訳が考えられます。
支払額 | 協会けんぽ還付 | 障害医療証還付 | 自己負担 |
---|---|---|---|
30,000円 | 約21,000円 | 500円 | 約8,500円 |
このように、期待していた金額より少ないと感じる理由は、障害医療証の適用範囲に「装具」が含まれていなかったためと考えられます。
自治体ごとの運用の違いにも注意
障害医療証の制度は全国共通ではなく、各自治体が独自の運用ルールを定めています。中には「装具費も助成対象」としている自治体もありますが、多くの自治体では「保険診療費のみ対象」となっています。
そのため、住んでいる市区町村の福祉課や障害福祉担当窓口に事前に確認することが非常に重要です。
まとめ:インソール費用の還付は制度ごとに仕組みが異なる
・インソール費用の還付はまず協会けんぽ(療養費)から7割程度が支給
・障害医療証では原則として装具費は対象外となる可能性がある
・返金額に差がある場合は、各制度の対象範囲をしっかり確認する
・不明点があれば自治体と健保組合の両方に問い合わせるのが安心
還付制度は複雑で誤解も生じやすいため、「言われた通り返ってくるはず」と思い込まず、事前確認を徹底することが大切です。
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