老齢年金の受給には様々な制度が絡んでおり、特別支給の老齢厚生年金と老齢基礎年金の繰上げ請求を検討する際には、そのタイミングや影響について正確な理解が必要です。今回は、請求の月によって支給される月や年金額がどのように変化するのか、ねんきんネットでの入力方法も含めて解説します。
老齢基礎年金の繰上げ請求の仕組み
老齢基礎年金は原則として65歳から支給されますが、60歳から繰上げて受給することも可能です。ただし繰上げ受給には年金額が一生減額されるというデメリットもあります。
繰上げ請求の月によって受給開始月や振込月が異なります。例えば、7月に請求した場合は「8月と9月分」が10月15日に支払われます。これは日本年金機構の支給スケジュールに基づいています。
8月に繰上げ請求した場合の支給時期
8月に繰上げ請求した場合、「9月と10月分」の年金が、10月15日ではなく12月15日に振り込まれます。支給の遅れを見越して請求月を調整することが重要です。
支給は偶数月の15日で、支給対象はその前の2ヶ月分です。8月の請求なら、初回の支給は12月ということになります。
受給月ごとの金額の違いと内訳
例えば、8月まで特別支給の老齢厚生年金のみを受け取っていた場合、8月分は従来通り厚生年金分のみの支給となります。
9月分からは老齢基礎年金が追加され、繰上げ減額後の基礎年金+特別支給の厚生年金の合計額が支給されるようになります。
ねんきんネットでの受給開始年齢の設定方法
ねんきんネットで年金額を試算する際には、受給開始年齢を正確に入力する必要があります。たとえば、現在64歳で誕生日が1月中旬の方の場合。
- 老齢基礎年金 → 64歳7ヶ月
- 老齢厚生年金(本来支給) → 65歳0ヶ月
このように入力することで、繰上げ請求や特別支給の影響を含めた試算が可能となります。
繰上げ請求の注意点と相談先
繰上げ請求によって年金額は減額されますが、一度請求すると原則として取り消しはできません。長期的な生活設計に与える影響をしっかりと考慮することが大切です。
不明点があれば、日本年金機構や年金事務所に直接相談することをおすすめします。[参照]
まとめ
特別支給の老齢厚生年金を受給中に老齢基礎年金を繰上げる場合、請求月によって支給開始月と振込日が変わります。繰上げによる減額の影響、支給の内訳、そしてねんきんネットの入力方法まで把握しておくと、計画的な受給が可能になります。
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