信号無視は単なる交通違反ではなく、事故リスクが高まる重大な違反行為です。罰金や違反点数だけでなく、自動車保険の等級や保険料にも影響を与える可能性があります。本記事では、信号無視によって等級が何段階下がるのか、保険料がどの程度上昇するのかを具体的に解説しながら、保険制度の仕組みや対処法についても紹介します。
信号無視が等級に影響するのは「事故」が起きた場合
信号無視だけで事故が発生しなければ、原則として自動車保険の等級には影響しません。あくまで「保険を使った事故(特に加害者になった場合)」があったときに等級ダウンが発生します。
たとえば、信号無視による接触事故を起こし、自身の保険を使用すると、翌年度の等級が3等級ダウンするのが一般的です。ノンフリート等級制度では、これが「事故あり係数」が適用され、3年間の保険料割増が継続します。
3等級ダウンの影響はどれくらい?
例えば、事故前が20等級(最上位)の場合、翌年は17等級になります。このとき、等級ダウンの影響で保険料は大きく変わります。
等級 | 事故なし割引 | 事故あり割増 |
---|---|---|
20等級 | 約63%割引 | – |
17等級(事故あり) | – | 約45%割引 |
上記のように、事故あり等級になると割引率が大きく下がるため、年間で2〜4万円以上の保険料アップとなることもあります。保険料が高い車両なら影響はさらに大きくなります。
信号無視による行政処分と違反点数
信号無視による行政処分も見逃せません。一般的には以下のような処分が科されます。
- 違反点数:2点
- 反則金:普通車9,000円
これ自体は軽微に見えるかもしれませんが、累積点数によって免許停止や取り消しにつながるリスクもあります。また、安全運転義務違反として記録が残ることで、保険会社からのリスク評価に影響を与える可能性も否定できません。
保険会社によっては「記録」だけで評価に影響することも
実際に事故に至らなくても、信号無視の常習が保険会社に把握されると、保険契約の更新時に保険料が上がったり、引き受け拒否となる場合も稀にあります。
たとえば、ドライブレコーダー付きの保険やテレマティクス型保険(運転挙動を記録する保険)では、信号無視や急ブレーキが記録され、運転評価に影響することがあります。
まとめ:信号無視は保険料にも「高くつく」行為
・信号無視自体では等級は下がらないが、事故に至ると3等級ダウン+割増3年間
・保険料は年間2〜4万円以上上昇する可能性あり
・行政処分として違反点数2点、反則金も発生
・保険会社によっては違反記録が保険料や契約に影響する場合も
信号無視は「急いでいるだけ」のつもりでも、結果的に高額な代償を支払うことになります。安全運転が自身の財布と命を守る最善の策であることを忘れずに行動しましょう。
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