子どもの医療保険や共済に加入していても、後から「先天性疾患だから支払えない」と通告されるケースがあります。特に、加入時には何の問題もなかった場合、保護者にとっては衝撃的な結果です。本記事では、JA共済などの共済制度における先天性疾患の取り扱いと、不支給通告後の対応方法についてわかりやすく解説します。
共済金の支払い拒否が起きる背景とは?
共済や保険では、契約時の告知義務に基づき、契約内容が成立しています。ただし、発症が後でも原因が先天性と判断された場合は「既往症扱い」になることがあります。これは保険会社側が、医師の診断書や検査結果から医学的に「出生前に原因があった」と判断したときに起こるケースです。
JA共済でもこのような例は少なくなく、「先天性大脳皮質形成異常」などの診断名が後に出ると、それ以前の支払いはされても、以降は支払対象外とされる可能性があります。
一度支払われたのに途中から拒否?矛盾のように見える理由
共済では、支払対象かどうかを個別の事例ごとに判断します。そのため、初回の入院が「原因不明」の場合は支払われたが、その後の診断で先天性と確定したことで対応が変わるということがあります。
つまり、初期の支払いは成立していても、その後に確定診断が出たことで「契約時点では補償対象外であった」と再評価されるのです。これを共済は「後発的な判断」として正当化することがあります。
納得できないときの対応策:泣き寝入りしないために
保険・共済の支払いに納得できない場合は、以下のステップを検討しましょう。
- 共済組合の上級部門(審査部など)に再審査請求
- 金融ADR(苦情処理・紛争解決)への相談
- 弁護士に相談して法的手続きを検討(弁護士会の法律相談窓口等も有用)
特に、「加入時点で予見できなかった病気」や「診断が後からついた」ことを証明できれば、有利な判断がされる可能性があります。
保険加入時の「健康状態告知」はどこまで必要か
告知義務はあくまで「既知の状態」に対するものであり、知らなかった・医師から説明されていなかった病気について告知する義務はありません。
実際、保険金をめぐる裁判では「当時の医師による説明がなかった」「検査結果も正常だった」などを主張し、保険会社側の責任が問われた事例もあります。加入時点で真に健康だったのであれば、その証明が重要です。
今後の医療費と生活をどう守るか
保険が下りない状況でも、自治体の福祉制度や医療費助成制度を活用する方法があります。たとえば、小児慢性特定疾病医療費助成制度や、障害児福祉手当、通院交通費補助などが該当するかもしれません。
また、支援団体やピアサポートを通じて、同じような経験を持つ親御さんとのつながりを持つことも、情報と心の支えの両面で役立ちます。
まとめ:先天性と診断されてもあきらめず、正当な権利を主張しよう
保険や共済の支払いにおいて「先天性」という診断が重く扱われるのは事実です。しかし、「加入時には知り得なかった」という主張が通るケースも存在し、再審査や第三者機関への相談は決して無駄ではありません。
お子さんの健康を願って契約した保険が、本当に役に立つ形になるよう、正当な請求をし続けることは親の当然の権利です。情報を得て、必要な支援を受けながら、納得のいく対応を目指していきましょう。
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