自動車保険では「等級制度」により保険料が大きく左右されます。家族の保険契約に記名被保険者として登録されている人が、自分名義で新たに契約する場合、現在の等級をそのまま引き継げるのかどうかは、多くの方が気になる点です。
自動車保険の「契約者」と「記名被保険者」の違い
まず基本として押さえておきたいのが、「契約者」と「記名被保険者」の違いです。契約者は保険料の支払い義務者であり、記名被保険者は主に運転する人を指します。
現在、父親が契約者であり、自分(子)が記名被保険者という場合、自分自身が保険の等級を持っているわけではなく、「父親名義の等級を使っている」状態といえます。
等級をそのまま引き継げるケースとは?
等級の引き継ぎが認められるのは、以下のような条件を満たす場合です。
- 記名被保険者が同居の親族である
- 契約者(父親)から子への「等級の譲渡」手続きが行われる
- 保険会社の同意・審査がある
ただし、ご質問のケースのように「別居」している親子の場合、多くの保険会社では等級の引き継ぎは認められない可能性が高くなります。
別居している場合の新規契約時の等級は?
別居している子が自分名義で保険を新規契約する場合は、基本的に「6等級(新規割引なし)」からのスタートになります。
例外的に、過去に等級を保有していた証明書(中断証明書)があれば、以前の等級から再開できることもありますが、そうでない場合は割引のない等級からの開始となります。
等級を維持したいなら事前の対策が重要
将来的に自分名義で契約したいと考えている場合は、早めに同居をするか、親の契約から子に正式に「等級を引き継ぐ」手続きを検討するとよいでしょう。
この手続きは「親族間の等級引継ぎ制度」と呼ばれ、保険会社によっては条件付きで対応してくれます。
保険料の差はどれくらい?
例えば、13等級の人と6等級の人では、年間の保険料にして数万円以上の差が出ることがあります。
たとえば、13等級なら約45%の割引がありますが、6等級(新規)では割引が一切なく、逆に割増のケースもあるため、保険料の負担が重くなることも。
まとめ:等級は契約者に紐づく、別居の子は原則引き継げない
自動車保険の等級は契約者に紐づいており、記名被保険者がたとえ実質的に運転していたとしても、それだけでは等級を引き継ぐことはできません。
別居の親から子への引き継ぎは原則不可であるため、自分名義で契約する場合は新規等級(通常6等級)からのスタートになることを前提に保険会社に相談し、ベストな方法を検討しましょう。
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