年金繰上げ受給者でも加給年金を受け取れる?65歳時に必要な手続きと注意点を解説

年金

年金を早く受け取る繰上げ受給制度は、生活設計の自由度を高める一方で、他の年金制度との関係が分かりづらくなることもあります。中でも「加給年金」は65歳以降に加算される制度ですが、繰上げ受給している方が対象になるのか、どのような手続きが必要か気になるところです。本記事では、繰上げ受給中の加給年金に関する基礎知識や手続き方法、注意点などをわかりやすく解説します。

加給年金とは?その仕組みと対象者

加給年金とは、老齢厚生年金の受給者に配偶者や子どもなど一定の扶養家族がいる場合に、年金に上乗せして支給される制度です。特に配偶者が65歳未満、または子どもが18歳到達年度の3月末までの場合が対象となります。

2024年現在、加給年金の額は年約39万円強。対象となる配偶者が「特別加算」の条件を満たすとさらに加算されることがあります。

繰上げ受給中でも加給年金は受け取れるのか

実は、老齢厚生年金を繰上げて受給している場合でも、65歳以降に一定の条件を満たせば加給年金を受け取ることが可能です。ただし自動で支給されるわけではなく、受給者本人が条件を満たしていることを示す手続きが必要です。

例えば、配偶者が65歳未満で扶養の要件を満たしている場合、65歳到達のタイミングで「加給年金対象配偶者に関する届出書」などを提出する必要があります。

加給年金の請求手続きは必要?タイミングと方法

加給年金の支給を希望する場合、65歳になる年に日本年金機構から届く案内に沿って書類を提出します。案内が届かない場合や不安な場合は、事前に年金事務所に確認しておくのが安心です。

具体的には、次のような書類が必要になります。

  • 加給年金対象配偶者に関する届出書
  • 配偶者の収入や生計維持関係を証明する書類
  • 戸籍謄本や住民票

これらを揃えて最寄りの年金事務所に提出することで、65歳以降に加給年金が支給されます。

繰上げ受給による減額と加給年金の関係

繰上げ受給を選択すると、老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給額は通常より減額されますが、加給年金には減額制度がありません。つまり、加給年金そのものは繰上げ受給によって影響を受けないということです。

ただし、繰上げ受給によって年金額が減っていることで、「生計を維持している」要件を満たさなくなるケースもあるため、条件を慎重に確認する必要があります。

実際のケース:61歳で繰上げ受給し65歳で加給年金申請

たとえば、61歳で老齢厚生年金の繰上げ受給を開始したAさんが、配偶者(62歳)と同居していた場合、65歳到達時に加給年金の対象となります。このとき、年金機構からの通知に沿って届出書を提出すれば、加給年金の支給が開始されます。

このように、繰上げ受給者であっても制度を正しく理解し、必要な申請を行えば、加給年金を受け取ることは可能です。

まとめ:繰上げ受給と加給年金の両立には手続きがカギ

・加給年金は65歳以降に受給可能
・繰上げ受給中でも条件を満たせば対象となる
・65歳時に自分で届出を行う必要がある
・加給年金の金額は減額されず満額支給
・案内が届かない場合は年金事務所へ確認を

繰上げ受給後も制度をうまく活用し、老後の収入を最大限に活かすためには、必要なタイミングで正確な手続きを行うことが重要です。

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