定年後に起業する方のための保険と共済の見直し術|61歳からの安定・節税・老後対策

保険

定年退職後に個人事業主として新たなスタートを切る方にとって、保険や共済の見直しは極めて重要なテーマです。サラリーマン時代と比べて社会保障の仕組みが変わるうえ、収入形態の変化や老後資金の準備も視野に入れる必要があります。この記事では、60代で起業を目指す方に向けて、適切な保険・共済の選び方と税務・老後対策まで総合的に解説します。

起業後の保険ニーズはどう変わる?

会社員時代は健康保険・厚生年金・団体保険に加入していた方も、個人事業主になるとそれらの保障が終了します。そのため、以下の保障を個別に確保する必要があります。

  • 医療費の備え(医療保険)
  • 事業中のケガ・入院への備え(所得補償保険)
  • 老後資金形成(個人年金保険・iDeCo)
  • 配偶者への保障(定期保険・終身保険)

これまで会社が用意してくれていた保障を、自分自身で「必要なものだけ」に絞って備え直すのがポイントです。

61歳・配偶者あり・健康状態良好のケースで検討したい保険

このような状況では、以下の保険・制度が現実的な選択肢となります。

  • 都道府県民共済・全国共済:高齢でも加入しやすく、掛金が割安。入院・通院の備えとしておすすめ。
  • 医療保険(終身型):長期的な入院・手術の備えに有効。通院保障よりも入院重点型の方がコスパが良い。
  • 所得補償保険:病気やケガで働けない期間に備える。収入のある個人事業主には必須クラス。
  • 終身保険(小規模):葬儀代や配偶者への備えとして必要最低限の額を。

保険料が高騰しがちな年齢でもあるため、「必要な保障を必要な期間だけ」確保する戦略が有効です。

節税にも活用できる保険・制度とは?

保険や年金制度の中には、税金対策に活用できるものがあります。以下はその代表例です。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除。65歳まで拠出でき、老後資金にもなる。
  • 小規模企業共済:廃業・退職時に受け取れる共済金が「退職所得扱い」となり、節税メリットが大きい。
  • 生命保険料控除:終身保険・個人年金保険・介護医療保険など、条件を満たせば控除対象に。

例えば、年400万円の所得がある場合、iDeCoと小規模企業共済を併用すれば数十万円単位で所得控除を得られる可能性があります。

60代の保険見直しは「何を減らすか」も重要

見直し時の注意点は「過剰な保障」にならないことです。すでに住宅ローンが終わり、子供も独立しているのであれば、大きな死亡保障は必要ありません。

たとえば、退職後も高額な終身保険や養老保険を継続している場合、貯蓄型ではなく「解約返戻金のある保険」への移行や、一部解約も検討してみると良いでしょう。

60代の保険見直しは「資産を守る」ためでもあります。保障を整えると同時に、支出もコントロールしていく意識が大切です。

実例:61歳で起業した男性の保険再設計

定年後に個人で不動産業を始めた61歳の男性は、年収約400万円・配偶者扶養・子は独立済。保険の見直しで次のような構成に変更しました。

  • 都民共済:月2,000円の入院保障を追加
  • 終身医療保険:月4,500円、保障は一生涯
  • 小規模企業共済:月20,000円積立(全額控除)
  • iDeCo:月12,000円積立(所得控除+老後資金)

これにより月額約40,000円の支出で、保障・節税・老後資金準備をすべてカバーする設計になっています。

まとめ:定年後の起業は保険の再設計が鍵。必要最低限+節税で備えを万全に

61歳で個人事業主になる場合、保険の見直しは「過不足のない保障」と「節税による資産効率化」がポイントです。会社員時代の保険をそのままにせず、自分のライフステージ・収入・事業内容に合った保険構成を再構築しましょう。

iDeCoや共済など公的制度を活用しながら、保障は共済・医療保険・所得補償の3本柱を軸に考えると効果的です。保険代理店やファイナンシャルプランナーへの相談も検討して、納得のいく見直しを行いましょう。

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