医療従事者や転職直後の方からよく寄せられる疑問のひとつに「健康保険料が二重に請求されているのでは?」というものがあります。特に勤務先で社会保険に加入しているにも関わらず、市役所から国民健康保険税の納付書が届くと混乱してしまいます。この記事では、そのようなケースがなぜ起こるのか、どのように確認・対処すべきかを解説します。
社会保険と国民健康保険の違いを理解しよう
社会保険(協会けんぽや組合健保)は、勤務先を通じて加入し、給与から保険料が天引きされます。これに対し、国民健康保険は主に自営業者や無職の方などが市区町村を通じて加入する制度です。
基本的には、どちらか一方にしか加入できませんが、制度の切り替えや届け出の遅れにより、両方に請求が来ることもあるため注意が必要です。
なぜ健康保険料が二重で請求されるのか
以下のようなケースで健康保険の二重請求が発生することがあります。
- 勤務先で社会保険に加入したにもかかわらず、市役所にその情報が届いていない
- 転職・就職後に国民健康保険を脱退する手続きを忘れている
- 扶養者が家族で別の健康保険に加入しているが、市町村に情報が共有されていない
例えば、転職して就業先の病院で社会保険に加入したものの、以前加入していた国民健康保険の脱退手続きをしていない場合、市役所はそれを認識できずに国保の請求を続けてしまうことがあります。
確認すべきポイントと対処の流れ
まず確認すべきなのは、現在加入している保険証の種類です。勤務先で発行された保険証があれば、それが有効な健康保険です。
その上で、次の手順で対処しましょう。
- 勤務先の人事・総務担当に加入している健康保険の種類を確認
- 市役所の保険年金課に連絡し、「社会保険に加入している旨」を伝える
- 必要であれば「健康保険資格取得証明書」などの書類を提出
- 過去に支払った国民健康保険料があれば、還付申請の可否を確認
過去に支払った国民健康保険料は返ってくる?
重複期間が明確で、社会保険の加入が証明できれば、二重払いとなった国保の保険料は還付される可能性があります。
還付申請には通常、勤務先が発行する健康保険証のコピーや、加入証明書などが必要です。また、申請期限が自治体ごとに定められているため、早めの行動が重要です。
事例:医療機関勤務のAさんのケース
放射線技師として病院勤務を始めたAさんは、給料から社会保険料が天引きされているにも関わらず、以前から加入していた国民健康保険の納付書が届きました。
市役所に連絡したところ、職場からの社会保険加入情報が届いていないことが原因と判明。加入証明書を提出することで国保の脱退が完了し、過去の重複分の保険料も一部還付されました。
まとめ:二重加入かも?と思ったらすぐ確認を
社会保険と国民健康保険の二重加入は、手続きのタイミングや情報の共有不足から発生します。自分が今どの保険に加入しているのかを把握し、市役所にも必要な届け出を行うことで、無駄な出費を避けることができます。
「もしかして…」と思ったら、勤務先と市役所の両方に確認を取りましょう。
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