「1日だけ働いてすぐ退職した場合にも社会保険料は1ヶ月分支払うの?」「その後すぐ国民健康保険に加入すると、二重に保険料を払うことになるの?」このような疑問を持つ人は少なくありません。今回は、短期就労後の社会保険と国民健康保険の関係について、制度の仕組みと実際の流れをわかりやすく解説します。
社会保険は1日でも加入すれば1ヶ月分の保険料が発生
健康保険法や厚生年金保険法では、就職したその日から社会保険の加入が義務付けられています。そのため、たとえ1日だけの勤務であっても、会社が加入手続きを行った場合は1ヶ月分の社会保険料が発生します。
6月2日に就職し即日退職した場合でも、6月分の社会保険料(健康保険+厚生年金)が給料から天引きまたは自己負担となる可能性があります。これは月単位で保険料が決まっているためです。
退職後は国民健康保険への加入が必要
退職後に社会保険の資格を喪失すると、原則として次の保険制度に加入しなければなりません。多くの場合は住民票のある市区町村での国民健康保険への加入です。
加入は資格喪失日の翌日から。今回のケースであれば、6月3日から国民健康保険に加入することになります。
社会保険と国民健康保険、二重に支払うのか?
一見すると、6月2日だけ社会保険に入り、6月3日から国民健康保険に入るとなると「保険料がダブって発生するのでは?」と感じるかもしれません。しかし、制度上は以下のように整理されます。
- 社会保険料:6月2日分だけの加入でも6月分として1ヶ月分発生
- 国民健康保険料:6月3日から月末までの加入でも月単位で1ヶ月分発生
つまり、結果的に6月分は両制度から保険料を請求されることになります。これは「制度上の仕組み」であり、避けられません。
ダブルで支払いを避ける方法はあるのか?
基本的には二重支払いを防ぐことはできませんが、以下の方法で多少の緩和ができる場合があります。
- 退職後に国保の減免制度を申請する:低所得・短期労働などを理由に減額措置を受けられる可能性があります。
- 就職先に社会保険の加入手続きをしないよう相談する:本来は違法ですが、勤務開始前に「1日だけの勤務」であることが明確なら、加入を見送ってもらえる場合もあります。
ただし、企業側が法令通りに処理した場合、1日だけでも加入は避けられないという点に注意が必要です。
実際に発生する保険料はいくら?
社会保険料と国民健康保険料は、前年の所得や標準報酬月額によって異なりますが、ざっくり以下のような金額が目安になります。
- 社会保険料(標準報酬月額20万円の場合):約3万円前後
- 国民健康保険料(地域により異なる):所得なしなら約1,000円〜1万円程度
つまり、合計で3万〜4万円前後の出費になる可能性があります。
まとめ:短期就労でも社会保険と国保の両方の負担が生じる可能性
1日だけ働いた場合でも、社会保険に加入すれば1ヶ月分の保険料が発生します。そしてその翌日から国民健康保険に加入すると、同月に両方の保険料を支払う必要が出てきます。
短期就労を予定している場合は、事前に雇用主と相談し、できる限り合理的な手続きをしてもらえるよう話し合うことが重要です。加えて、自治体での減免申請も選択肢として覚えておきましょう。
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