共働きのカップルにとって、「結婚=扶養に入る」だけがメリットではありません。実は、扶養に入らない場合でも結婚によって得られる金銭面での恩恵は多岐にわたります。この記事では、共働きを続ける予定のご夫婦が籍を入れることで享受できる具体的な金銭的メリットをわかりやすく解説します。
住民税・所得税の配偶者控除や配偶者特別控除は対象外でも…
まず、共働き夫婦で両者が一定額以上の収入を得ている場合、いわゆる「配偶者控除」「配偶者特別控除」の対象外になります。これは年収103万円や150万円といった壁を超えると適用されなくなるため、双方が正社員であれば該当しないケースがほとんどです。
そのため、税金上の直接的な控除によるメリットは限定的ですが、次に紹介するような恩恵は見逃せません。
健康保険の扶養に入れなくても「高額療養費制度」の合算対象に
夫婦が別々の健康保険に加入していても、婚姻関係にある場合には医療費が高額になった際、「世帯合算」が可能になります。これにより、高額療養費制度を使った自己負担限度額の軽減が受けられる場合があります。
例えば夫婦それぞれに治療費が発生した場合、婚姻していれば合算して計算でき、個別では対象とならなかった場合でも、合計額が一定額を超えることで補助対象になることがあります。
住宅ローン控除での共同名義によるメリット
家を購入する際、夫婦で住宅ローンを組む場合は「ペアローン」や「共有名義+連帯債務型」によって、双方が住宅ローン控除を受けられる可能性があります。これは年末残高の0.7%(2024年以降の制度)を最大13年間、所得税から控除できる制度です。
独身時代に個人名義で組んだ場合は一人分しか控除できませんが、結婚して共同で借入・購入することで控除額が増える可能性があります。
相続や贈与に関する優遇措置
結婚していると、将来の相続や贈与においてもさまざまな優遇措置があります。特に「贈与税の配偶者控除(居住用不動産)」では2,000万円まで非課税で贈与することが可能です(婚姻期間20年以上が条件)。
また、法定相続人としての立場があることで、相続時の非課税枠(基礎控除)や生命保険金・退職金の非課税額の範囲が広がるメリットも。
家計の一体管理によるコスト削減
結婚して世帯が一つになると、住居費や光熱費、通信費などの支出を統合して管理できるようになり、無駄な支出の削減につながります。これにより、長期的に見れば大きな節約効果が得られます。
たとえば、家計簿アプリを活用して支出を見える化することで、生活コスト全体を把握しやすくなり、節約意識も自然と高まります。
まとめ:共働きでも結婚は経済的メリットが多い
たとえどちらも扶養に入らない共働き夫婦であっても、結婚には医療費の合算や住宅ローン控除、相続・贈与対策など、数々の金銭的メリットがあります。これらをうまく活用すれば、将来的な生活の安定や資産形成にも大きく貢献します。
籍を入れることに迷いがある場合は、こうした制度的な優遇を一つの判断材料として検討するのもおすすめです。
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