近年、高齢化の進行とともに注目されているのが「葬儀保険(終活保険)」です。特に60代以降の方にとって、自分の死後の費用を自分でまかなう手段として検討されるケースが増えています。この記事では、ベルコが提供する葬儀保険の特徴を例に、仕組みやメリット・デメリット、そして本当にお得なのかを専門的観点から詳しく解説していきます。
ベルコの葬儀保険とは?
ベルコの葬儀保険は、保険金額100万円、月額保険料5,880円、20年払い(払込総額1,411,200円)という設計です。契約後3年以内の病死では払い込み済み保険料が全額返金、3年以上の経過であれば満額(100万円)が支払われる内容です。また、不慮の事故や災害であれば契約直後でも満額支払い対象となります。
一見すると合理的な内容ですが、詳細をよく見ると「保険としての合理性」「掛け捨ての損得」については賛否があります。
支払総額と保険金額のバランス
この保険で支払う保険料は20年間で約141万円。対して受け取れる保険金は最大で100万円。つまり、20年間満額支払っても、元本割れになる設計です。
これは一般的な葬儀保険に見られる特徴で、「掛け捨て型で保障を買う」という考え方が必要になります。
万が一に備える安心感が目的
ベルコの葬儀保険のポイントは「加入初期から保障が始まる」という点です。例えば、契約1年目に事故で亡くなっても100万円が支払われます。これは自力で貯蓄していた場合では得られないメリットです。
また、身寄りの少ない方や、自身の死後の手配を家族にかけたくない方にとっては、“保険金で葬儀が完結する安心感”が大きな価値になります。
葬儀保険をおすすめされる理由
保険ショップや葬儀会社が葬儀保険を勧める背景には、以下のような理由があります。
- 高齢になるほど医療保険には入りづらくなるが、葬儀保険は加入しやすい
- 保険金の使い道が明確で、相続トラブルを防げる
- 「終活」という観点で、自分の死後に備える商品として需要がある
ただし、販売者にとっては手数料収入の対象でもあるため、「本当に自分に必要か?」という視点で判断することが大切です。
自分に合った終活の手段を見極める
必ずしも保険に頼る必要はありません。たとえば、月々6,000円を定期預金に積み立てていけば、20年で約144万円の資金が残せます。この場合は、満額受け取れるのは生存している前提となりますが、「掛け捨て」にならないのがメリットです。
また、自治体によっては葬儀費用の補助制度もあり、独居高齢者支援も広がっています。
まとめ:ベルコの葬儀保険は「安心料」としての価値で判断
ベルコの葬儀保険は、短期的に亡くなった場合のリスクに備えるという意味では有用ですが、長期間加入すると支払額が保険金額を上回る点がネックです。
そのため、「葬儀費用を自分で確実に用意したい」「遺族に迷惑をかけたくない」という明確な目的がある方には向いていますが、コストパフォーマンス重視の方には慎重な検討が必要です。
最終的には、終活全体の中での位置づけを考え、自分にとって必要な保障を選ぶことが大切です。
コメント