年金生活に入ると毎月の支出を見直すことが重要になります。特に、保険のように「いざという時」の備えである一方、日常的には出費になるものは見直し候補の筆頭です。今回は、こくみん共済や終身保険、ガン保険に加入している方が、65歳以降も継続すべきかどうかを判断するポイントを解説します。
こくみん共済の保障内容と月額負担のバランス
こくみん共済では、65歳を超えると入院給付金が1日3,000円、死亡保障は15万円、先進医療は最大500万円といった内容になります。月額2,300円という手頃さは魅力ですが、保障内容が縮小されるため「費用対効果」で考える必要があります。
例えば、1週間(7日間)入院した場合の給付額は21,000円。1年で2,300円×12=27,600円支払うことを考えると、毎年必ず入院する前提でない限りは割に合わない可能性もあります。
既に掛け金支払い済の終身保険は有力な資産
60歳までに払い終えている終身保険は、今後は支払い不要で保障が継続するため、非常に優秀な保険資産といえます。入院給付金も1日5,000円、死亡保障200万円とバランスも良く、継続すべき価値は高いです。
また、3大疾病特約もあることで、がん・心疾患・脳血管疾患にも一定の備えができている点も安心材料です。
ガン保険の縮小保障と継続判断の基準
高齢になるとがん保険の保障内容が自動的に減額されたり、通院給付が終了する場合があります。特に、古い保険商品では先進医療や放射線治療のカバーが限定的な場合もあるため、内容を見直すことが重要です。
もし保障が乏しいと感じる場合は、医療保険や共済と重複する部分と比較し、整理対象に含めても良いかもしれません。
心臓に持病がある場合の保障戦略
持病がある場合、保険加入自体が制限されるため、現在の保障を簡単に解約するのは危険です。特に心臓疾患は入院・手術の可能性もあるため、既に加入済みの医療保険や共済があるならば、内容を最大限活用する意識が大切です。
解約前に「今ある保障の具体的な範囲」と「公的保険制度の自己負担限度額」を照らし合わせ、無理に民間保険を増やさない判断も有効です。
保険を見直す際のチェックポイント
- 掛け金を払わずに保障が継続する保険はなるべく残す
- 保障の重複(共済・終身・がん)を確認して削減対象を絞る
- 自分の病歴・体調を踏まえた必要保障額を再計算する
- 公的医療制度や高額療養費制度の限度額も理解しておく
保険ショップやFP(ファイナンシャルプランナー)に無料相談できるサービスを活用するのもおすすめです。
まとめ:保障を「減らす」のではなく「最適化」する
65歳以降の保険の考え方は、「多ければ安心」ではなく「重複を避け、必要最低限で賢く備える」ことがカギです。
こくみん共済は手頃な掛け金ながら保障が薄くなるため、終身保険など既に充実した内容があるなら見直し候補となります。一方、持病がある場合は慎重な判断が必要です。今ある保険の強みを活かしながら、家計に無理なく、安心して老後を迎えるプランを立てていきましょう。
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