近年、X(旧Twitter)などのSNS上で「PayPay送金を倍にして返す」などと謳う投稿を見かけることがあります。しかし、それらの多くは詐欺行為に該当する可能性があり、被害者が続出しています。本記事では、このような手口の実態と、もし騙されてしまった場合に取るべき法的対処法について解説します。
PayPay倍増詐欺とは?
PayPay倍増詐欺とは、SNS上で「1,000円送れば2,000円にして返す」といった投稿をし、ユーザーから送金を受けた後にブロックして逃げる典型的な詐欺手口です。
送金後は連絡が取れなくなり、返金もされず、相手のアカウントが削除されるケースがほとんどです。特に学生や若年層がターゲットにされやすく、少額でも心理的な被害は大きくなります。
このような行為は犯罪に該当するのか?
結論から言えば、詐欺罪に該当する可能性があります。詐欺罪は刑法246条に定められており、他人を欺いて財物を交付させた者は「10年以下の懲役」と定められています。
重要なのは、「倍にして返す」という虚偽の約束で金銭をだまし取った場合、それが刑事上の詐欺行為と認定される余地があるという点です。
被害にあったらどうすればいい?
もしこのような被害にあった場合、以下の対応が推奨されます。
- すぐにPayPayアプリ内から送金履歴を保存(スクリーンショット)
- 相手のXアカウントや投稿の証拠を保存
- 警察署に被害届を提出(サイバー犯罪窓口が望ましい)
- 消費生活センターにも相談する
また、PayPayのカスタマーサポートにも通報しておくことで、同様の被害拡大を防げます。
なぜ騙されやすいのか?心理と仕組み
人は「簡単にお金が増える」という魅力的な提案に、冷静な判断力を失ってしまうことがあります。特にSNS上では他人との距離感が近くなり、警戒心が薄れるのが特徴です。
詐欺師は「期間限定」や「今だけ」「ラスト1名」などといった焦らせる言葉を用いて、冷静な判断を奪おうとします。このような言葉に惑わされず、ひと呼吸おいて考える習慣を持つことが重要です。
PayPayの規約と安全な使い方
PayPay公式は、個人間送金に関するトラブルについて責任を負わないことを明示しています。つまり、PayPayは送金の利便性を提供するだけで、詐欺被害への補償は原則として行われません。
安全な利用のためには、「知人・信頼できる相手以外に送金しない」「不特定多数が見る場での金銭やりとりは控える」など、基本的なルールを守ることが最も効果的な対策です。
まとめ:SNSの「倍返し」には絶対に乗らない
XなどのSNSで見かける「PayPay倍返し」投稿は、そのほとんどが詐欺行為です。被害に遭った場合でも、法的手段によって訴えることは可能ですが、相手の特定が難しいケースも多いため、まずは巻き込まれない意識が大切です。
「楽して儲かる話はない」という原則を胸に、安易な送金や金銭のやりとりは控えましょう。
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