物価高騰と賃金上昇が交錯する令和時代。昭和の価値観に基づいた貯蓄重視の「アリ型」人生と、投資やモノに資産を変える「キリギリス型」ライフスタイル。果たしてどちらが現代に適応した賢い生き方だったのでしょうか?時代の変化を捉えながら、それぞれの選択肢がどのような結果をもたらしたのかを検証していきます。
物価上昇と貨幣価値の低下:昭和の「貯金は美徳」は通用しない?
2024年現在、コンビニコーヒーが1年で100円から140円へと40%も値上がりしたのは象徴的な出来事です。10年前に1000万円貯金していたとしても、現在ではその価値は750万円相当しか買えない「実質減価」が起きています。
金利がほぼゼロの時代では、貯金そのものがリスクになり得ることを実感させられる例でもあります。
キリギリス型は散財か、それとも先見の明か
平成世代やZ世代の若者たちは、貯金よりも投資や消費を重視してきました。例えば高級車を買い、それを数年後に売却すると、購入価格と同等かそれ以上で売れることも。中古市場のインフレがそれを可能にしています。
実際に、2010年代にランドクルーザーやレクサスを購入し、10年後に購入価格以上で売却したケースも。「使いながら資産を保有する」発想が、令和時代では有利に働くようです。
賃金上昇の波に乗った令和型キャリア戦略
就職氷河期を経験した昭和世代に対し、令和世代は労働市場の人手不足の恩恵を受け、高い昇給率を実現。10年前に入社した先輩よりも、現在の新入社員の方が基本給が高い企業も多数存在します。
積極的な転職やスキルアップ、スタートアップへの参画など、収入を伸ばすための行動が評価された結果といえるでしょう。
アリ型のメリットはなかったのか?
もちろん、アリ型のように堅実に資金を蓄えた人は、不測の事態にも耐えやすいという利点があります。実際、コロナ禍での経済不安に際しては、現金資産を持っていた人の方が精神的に安定していたという調査結果もあります。
また、老後の医療費や介護費用など、今後「現金が必要」になる場面では、貯金が強みとなるでしょう。
金融リテラシーの差が「損得」の分かれ道に
資産形成においては「貯金 vs 消費」ではなく、「金融リテラシーの有無」が最も重要なファクターです。リスクを理解しつつインデックス投資を続けてきた人は、10年で資産が1.5〜2倍になっているケースもあります。
一方、無計画に消費してきた人は、収入が上がっても貯蓄ゼロに陥る可能性も。自ら情報を収集し、戦略的に動いた人こそが現代の勝者と言えるでしょう。
まとめ:大切なのは「時代の流れに乗った判断力」
令和時代においては、単に貯金をしているだけでは資産を守ることができません。一方で、未来を見据えた投資や消費が大きなリターンを生む可能性もあります。
結論として、「アリ型」「キリギリス型」の二項対立ではなく、情報に基づいた柔軟な判断が最もお得な生き方と言えるのです。
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