人間のための医療保険と、動物のための医療保険——似ているようで大きく異なる仕組みを持つのが「国民健康保険」と「ペット保険」です。いずれも病気やケガに備える制度ですが、「月額はいくらかかるの?」「どっちが安いの?」という疑問を持つ方も多いはず。本記事では、月額の費用とそれぞれの補償内容の違いをわかりやすく解説します。
国民健康保険とは?
国民健康保険は、日本に住む人が加入する公的医療保険制度の一つで、主に自営業者やフリーター、無職の人などが対象です。加入者は保険料を支払うことで、医療費の自己負担が原則3割に抑えられます。
保険料は市区町村ごとに異なり、前年の所得や世帯構成によって決まります。たとえば、年収150万円の単身世帯の場合、年額15〜20万円(月額換算で約1.5万円)程度が目安です。
ペット保険とは?
ペット保険は民間企業が提供する任意保険で、犬や猫などの動物が病気やケガをした際の医療費の一部をカバーします。人間のような公的制度は存在せず、全額自己負担になる動物医療のリスクに備える保険です。
代表的な補償内容は、「通院・入院・手術費の50〜70%補償」など。月額保険料は、動物の種類・年齢・補償割合によって異なります。
例:
- 子犬(小型犬・0歳・70%補償) → 月額2,000〜3,000円
- 成猫(3歳・50%補償) → 月額1,500円前後
- シニア犬(8歳・70%補償) → 月額5,000円以上
月額費用だけで比較すると?
ここではあくまで一般的な目安として、以下のように整理できます。
保険種別 | 月額保険料(目安) |
---|---|
国民健康保険(人) | 約12,000〜18,000円 |
ペット保険(犬・猫) | 約1,000〜5,000円 |
結論としては、ペット保険のほうが月額は明らかに安いです。ただし、これは単純な金額の話であり、補償される内容や対象の範囲には大きな違いがあります。
補償の範囲と実質的な価値も比較しよう
国民健康保険は、風邪や虫歯の治療から出産、手術、難病までほぼすべての医療費に対応。高額医療費制度や傷病手当金などの保障制度も整備されています。
一方でペット保険は、対象となる医療が限定されていたり、一定の免責金額が設けられていたりと、補償範囲が保険商品ごとにまちまちです。
また、年齢が上がると保険料も急増し、10歳を超えると新規加入ができなくなるケースもあります。
どちらが「高い・安い」ではなく目的が違う
国民健康保険は人間の生存権を支える制度であるのに対し、ペット保険は家族の一員である動物の健康維持を補助する民間サービスです。
したがって、「どちらが安いか?」だけでなく、「それぞれ何のために払うのか」という目的の違いを理解しておくことが重要です。
まとめ:月額だけ見ればペット保険が安いが、補償の中身を見て選ぼう
国民健康保険の月額は1万円台半ば〜後半、ペット保険は数千円程度。費用面だけで見ればペット保険が安いですが、対象や補償範囲が全く異なります。
自分やペットにどんなリスクがあるのか、どれだけの補償が必要なのかを考えながら、保険料とのバランスを取るのが賢い選び方です。
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