近年、働き方の多様化に伴い、週20時間未満の短時間パート勤務を選ぶ人が増えています。その中で、配偶者の扶養に入らず自ら国民年金や国民健康保険に加入しているケースも存在します。この記事では、その理由や背景、実際のケースを解説します。
週20時間未満のパート勤務と社会保険の関係
原則として、週20時間未満のパート労働者は、勤務先での社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象外となります。そのため、本人が社会保険に加入するには、別の手段を選択する必要があります。
通常は配偶者の扶養に入る選択肢がありますが、あえて「扶養に入らず自分で国民年金・国民健康保険を支払う」という人もいます。
扶養に入らず保険料を自己負担する理由とは
税制上の配偶者控除・社会保険の扶養条件に当てはまらない場合、たとえ週20時間未満でも扶養に入れないことがあります。たとえば、以下のようなケースです。
- 収入が年間130万円を超える見込みがある
- 事業所得や不動産収入など給与以外の収入がある
- 配偶者が自営業などで扶養制度がない
また、「あえて自立した社会保障を確保したい」という本人の意志で国保・国民年金を選ぶこともあります。
実際にあった具体例
たとえば、40代女性Aさんは週15時間のパート勤務をしており、月収は約6万円。年間の給与収入は100万円程度でしたが、同時に自宅での講師業で月に5万円の事業所得も得ていました。
この場合、合算すると扶養条件(130万円以下)を超える可能性があり、扶養に入れないため、自分で国民健康保険と国民年金に加入する選択をしています。
国民健康保険・国民年金に加入した際の負担額
自治体によって異なりますが、目安として月額。
- 国民健康保険:8,000円〜15,000円程度
- 国民年金:16,520円(令和6年度基準)
合計で月に2万〜3万円程度の負担になることが一般的です。ただし、所得が低い場合は、住民税非課税世帯として保険料の減免を受けられることもあります。
扶養に入れない要件を正確に知ろう
扶養に入れるかどうかは、単に「時間」だけで判断されるわけではなく、年収見込み・収入の種類・勤務形態・居住地の制度など複数の条件により決まります。
会社の健康保険組合や協会けんぽ、または住んでいる自治体に相談することで、正確な判断ができます。
まとめ:週20時間以下でも「扶養外」の選択肢は存在する
週20時間未満であっても、扶養に入れない事情がある人は実際に多く、自ら国民年金・国民健康保険を選択して生活しているケースもあります。
自分の働き方・収入・将来の保障を見据えて、必要に応じて制度の専門窓口で確認を行いながら、最適な選択をしていくことが大切です。
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