ブラジルの銀行金利は魅力的?実質金利と投資判断のリアルを解説

貯金

高金利の国として注目されるブラジルでは、銀行預金で得られる利息も日本とは比べものにならない水準にあることがあります。この記事では、ブラジルの銀行の実質金利の仕組みや、仮に10億円を預けた場合に得られる利息収入の現実性について詳しく解説していきます。

ブラジルの政策金利と実質金利の関係

ブラジルでは中央銀行が「Selic(セリック)」と呼ばれる政策金利を運用しており、2024年時点でその水準はおおよそ10.5%前後です。これは日本の0.1%前後と比べると非常に高い水準です。

ただし、名目金利が高くてもインフレ率も高いため、実質金利(名目金利−インフレ率)は常にプラスとは限りません。たとえばインフレ率が6%であれば、実質金利はおおよそ4.5%程度となります。

10億円預けたら年利で1億円稼げるのか?

単純計算で名目金利10%と仮定した場合、10億円の預金で年間1億円の利息が得られることになります。しかし実際には以下の要因を考慮する必要があります。

  • 税金:ブラジル国内では利子所得に最大22.5%の税金が課されます。
  • 為替リスク:レアル(BRL)と円の為替変動により、日本円換算で目減りする可能性があります。
  • インフレ:実質価値が目減りする可能性があります。

たとえば年利10%でも、インフレ率6%、税金20%が引かれれば、実質手取り利回りは2.8%前後にまで下がります。

外国人がブラジルの銀行に口座開設できるか?

ブラジルでは外国人が銀行口座を開設することは可能ですが、基本的には現地滞在ビザ(CPF番号取得など)や居住証明などが必要になります。また、手続きには現地の法律や金融規制に従う必要があるため、相応の時間とコストがかかります。

近年はデジタルバンク(例:Nubankなど)の登場により簡易な開設も進んでいますが、大口預金を希望する場合は伝統的な銀行(Bradesco、Banco do Brasilなど)での手続きが一般的です。

高金利の裏にあるリスクにも注意

ブラジルは新興国市場に分類されるため、政治的リスクや金融不安が突発的に起こる可能性があります。2000年代やコロナ禍中には短期間でレアルが30%以上下落するなど、為替損が利息収入を打ち消すリスクも。

また、預金保護制度(FGC)は存在しますが、保証額は最大25万レアル(約750万円)程度であり、日本のような1,000万円保証とは大きく異なります。

日本からブラジルの高金利を活かす方法はあるか?

日本にいながらブラジルの高金利を享受する方法として、ブラジルレアル建て債券やREIT、ETFなどが挙げられます。たとえば「ブラジル国債」や「ブラジル高利回り通貨ファンド」などが存在します。

これらの金融商品を活用することで、直接現地に資金を移さずとも金利メリットを享受できますが、依然として為替リスクと価格変動リスクは残ります。

まとめ:高金利には魅力とリスクが共存する

ブラジルの銀行預金金利は名目で10%前後と高水準ですが、インフレや税金、為替変動といった要素を考慮すると、実際の利回りはかなり目減りします。

仮に10億円を預けて1億円の金利を得ることは理論上は可能ですが、現実には慎重なリスク管理と制度理解が不可欠です。金融知識のある専門家に相談することも視野に入れながら、海外預金や投資を検討しましょう。

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