傷病手当金を受給中に就職した場合の支給停止と振込遅延の違いを理解する

保険

傷病手当金を受給している期間中に新しい職場が決まり、働き始めた方にとって、「申請済みの月の手当が振り込まれないのはなぜ?」という疑問はとても不安なものです。本記事では、就職による打ち切りと単なる振込の遅れを見分けるためのポイントや確認方法について解説します。

傷病手当金の支給条件は「働けない状態」であること

傷病手当金は、健康保険の被保険者が「業務外の病気やけが」によって働けず、かつ給与の支払いがない場合に支給される制度です。そのため、新しい職場で働き始めた時点で「働ける状態」と見なされ、原則として傷病手当金はその日をもって打ち切りとなります。

例えば、4月1日から新しい職場で働き始めた場合、3月31日までの分は支給対象となる可能性がありますが、4月以降は不支給です。

申請済みの月分が振り込まれない主な理由

3月分をすでに申請しているにもかかわらず、振込がない場合は以下のような理由が考えられます。

  • 申請書類に不備がある(医師記入欄の漏れ、事業主の証明不足など)
  • 健康保険組合や協会けんぽでの審査が遅れている
  • 新しい就職情報が確認され、審査に時間がかかっている

支給に関する審査は月単位で行われ、提出から実際の振込までに1ヶ月〜2ヶ月ほどかかることもあります。

打ち切りと判断された場合の対応

もし保険者(協会けんぽや健康保険組合)が「就職=就労再開」と判断し、3月分の一部も不支給と判断している場合は、その通知が郵送で届くか、問い合わせにより確認することが可能です。

自分の傷病状態が継続していた証明(医師の意見書など)をもとに異議申し立てを行うこともできますが、その判断は保険者に委ねられます。

確認すべきことと問い合わせのポイント

まずは傷病手当金の申請先である健康保険組合や協会けんぽに連絡し、「申請した○月分の審査状況」「支給決定日」などを確認しましょう。

問い合わせ時には、次の情報を整理しておくとスムーズです。

  • 傷病手当金の対象期間(いつからいつまで働けなかったか)
  • 申請書類の提出日
  • 退職日と就職日
  • 医師の意見書の内容

再就職が決まった場合の申請のコツ

再就職の際は、あらかじめ医師や前職の事業主と相談し、就労可能な日までの傷病手当金申請を明確にしておくと、後の支給可否のトラブルを避けやすくなります。

特に退職日と就職日の間に空白期間がある場合は、その間の証明が重要になります。

まとめ:支給遅延か打ち切りかは「審査状況の確認」がカギ

傷病手当金が振り込まれない理由が「打ち切り」なのか「遅延」なのかは、本人では判断しづらい場合があります。申請済みであれば、まずは保険者に連絡し、審査状況や不備の有無を確認しましょう。

新たな就職があっても、就業前までの期間は正当に支給される可能性があります。適切な手続きと確認を行うことで、安心して制度を利用できます。

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