台東区と港区で国民健康保険料が大きく違う理由とは？保険料の地域差の仕組みをわかりやすく解説

同じ東京都内でも、台東区と港区で国民健康保険料が2倍近く違うというケースがあります。収入がほぼ同じなのに保険料に差が出るのはなぜでしょうか？この記事では、保険料が自治体ごとに異なる理由や仕組み、そして住む場所によるコスト差について解説します。

国民健康保険料は自治体ごとに異なる

国民健康保険は、市区町村が運営する地域単位の制度であり、自治体ごとに保険料率や算定方法が違います。つまり、住んでいる場所によって負担する金額が変わる仕組みなのです。

保険料は「所得割」「均等割」「平等割」「資産割」などの組み合わせで決まりますが、これらの金額や割合は区ごとに異なる条例で設定されています。

港区は23区内でも「国民健康保険料が安い自治体のひとつ」として知られています。その理由の一つは、財政基盤の強さにあります。

法人税収や固定資産税などで豊かな税収があるため、区が国保に独自の補助金を出して住民負担を抑えています。これにより、同じ所得でも保険料が低くなる傾向があります。

一方、台東区は所得水準や人口構成の関係で、港区と比較して保険料の負担が重くなることがあります。特に高齢者の割合が高い場合、医療費がかさみやすく、保険料の調整が必要になることが背景にあります。

また、港区のように大きな財政余力があるわけではないため、住民の保険料で制度を維持していく必要があります。

仮に40歳の単身者で年収400万円の場合、東京都が提供する国保料計算ツールを用いると、

と、約2倍近い差が出ることがあります。この差額は年間で見ると非常に大きく、生活費に与える影響も無視できません。

住民税や家賃のように、国保料も「住む場所によって違う」という認識を持つことが大切です。特にフリーランスや自営業の方は、引越しによって年間数万円～十数万円の差が出ることも。

引越し前には、各自治体の公式ホームページで公開されている「保険料シミュレーター」を使って試算しておくと安心です。

国民健康保険料が台東区と港区で大きく異なるのは、自治体ごとの運営方針と財政状況によるものです。港区は比較的保険料が安く、台東区はやや高めという傾向があります。

これから引越しを考えている方や、国保料に負担を感じている方は、住む場所の保険料の特徴にも注目し、生活設計を立てていくことが重要です。