突然届くことがある「口座の差し押さえ通知」。特に国民健康保険料などの滞納による差し押さえは、実際に起こると不安になります。この記事では、差し押さえの仕組みと、今後の生活や口座管理で気をつけるべきポイントを丁寧に解説します。
口座差し押さえの基本的な仕組みとは?
自治体(市区町村)は、未納の保険料に対して法的な手続きを経て金融機関の預金口座を差し押さえる権限を持っています。これは裁判所の手続きではなく、行政の権限で行われる「滞納処分」と呼ばれるものです。
差し押さえは、あらかじめ自治体から催告書や督促状、最終通告などが届いた後に執行されることが多く、これを無視していると突然口座がロックされる形で発生します。
差し押さえ金額はどのように決まる?
差し押さえの対象金額は、未納額(今回の例では9万円)に利息や手数料を加えた全額です。ただし、差し押さえの時点で口座に入っている金額分しか回収できません。つまり、口座に2万円しかなければ、その2万円が差し押さえられ、残り7万円分については差し押さえが「残っている状態」になります。
この状態は「債権の残置」と呼ばれ、自治体は引き続き残金を差し押さえる権利を保持しています。
入金されるたびに差し押さえられるのか?
差し押さえは1回の処分で一時的なものです。つまり、差し押さえ命令が発動された時点での口座残高に対してのみ効力があり、その後の入金に対しては原則、再度の手続きがなければ差し押さえはされません。
ただし、自治体が改めて差し押さえ手続きを繰り返すことは可能です。その場合、金融機関へ都度通知が行われ、再度口座にある金額が押さえられます。
よくある誤解と注意点
「一度差し押さえられると、ずっと口座を監視されていて、入金されるたびに引き出される」と思っている方もいますが、実際には差し押さえはその都度、個別に命令が必要です。
ただし、自治体によっては定期的に差し押さえを繰り返すケースもあります。そのため、生活用口座を分ける、他の支払いに使う資金は別口座に移しておくなどの工夫が必要です。
差し押さえを避けるためにできること
差し押さえを回避したい場合は、以下の対処が考えられます。
- 市区町村に連絡して分割納付の相談をする
- 滞納処分前に減免制度や猶予制度を活用する
- 生活保護などの制度が必要な場合は早めに福祉課へ相談する
特に、保険料の減免や分割相談に応じてくれる自治体も多く、真摯な態度で話をすれば取り下げられるケースもあります。
まとめ:差し押さえは一時的、でも放置は厳禁
国保の差し押さえは、未納状態が長期化した結果発生する行政処分です。差し押さえ後の口座入金は自動的に引かれるわけではないものの、繰り返し実施される可能性があるため、対応は慎重に行いましょう。まずは自治体と連絡を取り、今後の納付方法について相談することが最も重要です。
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