転職や退職、扶養から外れたときに必要となる「国民健康保険への切り替え」ですが、手続きに必要な情報や書類については意外と知られていません。特に世帯主が別居している場合や、実家に住んでいるケースでは「誰のマイナンバーが必要なのか?」「雇用保険の手続きはどうなるのか?」など不安を抱える人も多いでしょう。本記事では、実際の行政手続きをもとに、わかりやすく解説します。
国民健康保険への切り替え時に必要な書類
国民健康保険に切り替えるには、原則として以下の書類が必要です。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- マイナンバー(個人番号)の記載された書類
- 退職を証明する書類(離職票または退職証明書)
このうち、マイナンバーは世帯主および加入対象者全員分が必要となります。したがって、実家の世帯主(たとえば父親)が自分の世帯主となっている場合、その方のマイナンバーも求められます。
マイナンバーはメモでもいい?
結論としては、マイナンバーは「番号の記載が確認できる書類」の提示が必要です。単なるメモや口頭での伝達では受け付けてもらえない自治体がほとんどです。
例として有効な書類には以下のものがあります。
- マイナンバーカード
- 通知カード(※住所や氏名が変更されていないもの)
- マイナンバー記載の住民票
どうしても原本を持って行けない場合は、マイナンバー記載の住民票を取得して持参する方法が確実です。
雇用保険に加入したまま切り替える場合の注意点
雇用保険(失業給付など)と国民健康保険は別の制度であり、基本的には両立が可能です。ただし、退職後に国民健康保険へ切り替えようとした場合、「職場の健康保険をやめている」ことが条件となります。
つまり、会社の社会保険(健康保険)を脱退していなければ、国保へ加入できません。そのため、まず会社または健康保険組合に対して「資格喪失手続き」を依頼しましょう。
雇用保険をやめたい場合の手続き方法
雇用保険は基本的に労働者が加入するものであり、自分の意思で自由に「やめる」ことはできません。ただし、次のような場合は自動的に脱退または変更されます。
- 再就職して新しい会社で再加入
- 65歳を超えて雇用保険の対象外になる
- 失業状態が継続し、給付期間が終了
もしハローワークでの手続きや認定を受けたくない場合でも、「加入そのもの」は以前の勤務先が手続きをしているため、自ら取り消すことはできません。特別な理由がなければそのまま維持され、失業給付等の対象となります。
実家に住んでいる場合の世帯主の扱い
実家に住んでいて住民票上も同一世帯である場合、世帯主(たとえば父親)が健康保険の「代表者」として登録されます。そのため、国保の申請や保険料の通知も世帯主宛に届く仕組みです。
この場合は、申請の際に世帯主のマイナンバー、本人確認書類、印鑑などが必要になることがあるため、事前に自治体へ確認することをおすすめします。
まとめ:マイナンバーと保険の手続きは慎重に準備を
国民健康保険の切り替え時には、世帯主を含む全員分のマイナンバーと正式な書類が必要です。メモや口頭での情報は基本的に受理されません。また、雇用保険は自動的に脱退できるものではなく、働いていた会社の手続きに基づきます。スムーズに手続きが進むよう、必要な書類や条件を事前に確認し、不安な点は自治体やハローワークに相談しましょう。
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