厚生年金は、一定の条件を満たした労働者が加入する公的年金制度です。特に60歳を超えて働く場合、加入条件や出勤日数などの基準が気になる方も多いでしょう。本記事では、厚生年金の加入条件や最低限の勤務要件について詳しく解説します。
厚生年金の基本的な加入条件
厚生年金に加入するには、原則として以下の条件を満たす必要があります。
- 厚生年金の適用事業所(法人・個人事業主の一部)に勤めていること
- 雇用契約があること(正社員・契約社員・パートなど)
- 勤務時間・勤務日数が一定の基準を満たすこと
また、会社の規模や勤務形態によっても加入条件が異なるため、具体的な基準を確認することが重要です。
勤務時間・日数の基準と厚生年金の適用
厚生年金の加入基準には、勤務時間や勤務日数の要件があります。
条件 | 基準 |
---|---|
週の所定労働時間 | 正社員の4分の3以上(通常は週30時間以上) |
月の勤務日数 | 正社員の4分の3以上(通常は月16日以上) |
一般的には、週30時間以上働く場合は厚生年金に加入が義務付けられます。 ただし、短時間勤務でも一定の条件を満たせば加入できるケースがあります。
週20時間以上でも厚生年金に加入できるケース
2016年の制度改正により、パートや短時間労働者でも以下の条件を満たす場合、厚生年金に加入できるようになりました。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(交通費・残業代を除く)
- 勤務期間が2か月以上見込まれる
- 従業員101人以上の企業(2024年からは51人以上の企業が対象)
つまり、フルタイム勤務ではなくても、一定の基準を満たせば厚生年金に加入できる可能性があります。
欠勤すると厚生年金の資格はどうなる?
欠勤が増えた場合、厚生年金の資格がどうなるか気になるところです。基本的には、勤務時間・日数の基準を満たしていれば、一時的な欠勤では厚生年金の資格は失われません。
ただし、長期欠勤が続くと次のような影響が出る可能性があります。
- 勤務時間が週30時間未満になった場合、厚生年金の資格を失う可能性がある
- 会社が「社会保険の適用外」と判断した場合、厚生年金の資格喪失手続きが行われる
- 欠勤が長期化すると、給与の減少により保険料負担が変わる可能性がある
そのため、欠勤を考えている場合は、事前に会社の社会保険担当者に相談することをおすすめします。
退職後の厚生年金の扱い
もし退職した場合、厚生年金の資格は失われます。その後の選択肢としては、以下の3つが考えられます。
- 次の職場で厚生年金に加入する
- 国民年金に切り替える
- 任意継続(企業年金制度がある場合)
特に、厚生年金から国民年金に切り替える場合、年金額が変わるため、退職後のライフプランも考慮して判断することが大切です。
まとめ:厚生年金を維持するためのポイント
厚生年金の加入は、週の勤務時間・日数が正社員の4分の3以上であることが基本条件です。
また、週20時間以上でも一定の基準を満たせば加入できるケースもあります。一時的な欠勤では資格を失うことはありませんが、長期欠勤や退職には注意が必要です。
厚生年金の資格を維持するためには、勤務条件を確認し、会社の社会保険担当者と相談しながら計画的に行動することが重要です。
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