社会保険証には青や黄色など複数の色が存在し、「同じ正社員なのにどうして色が違うの?」と疑問を感じたことがある方も多いでしょう。実はこの色分けには明確な理由があり、保険制度の種類や発行元に関連しています。本記事では、社会保険証の色の違いとその背景にある制度の違いについて、わかりやすく解説します。
社会保険証の色が違う理由
社会保険証の色は、加入している保険制度の種類や発行する保険者(保険組合など)によって異なります。代表的な色には以下のような意味があります。
- 青色:協会けんぽ(全国健康保険協会)の保険証
- 黄色:健康保険組合に加入している場合や、特定の公的機関・団体による保険証
つまり、どちらも正社員であっても、勤務先がどの健康保険制度に加入しているかで、保険証の色が異なるのです。
協会けんぽと健康保険組合の違い
協会けんぽ(全国健康保険協会)は、中小企業など多くの企業が加入する公的な健康保険制度です。一方で、一定規模以上の企業が設立できる「健康保険組合」は、独自に保険料率や給付内容を設定することが可能です。
たとえば、同じ職種の正社員でも、会社の規模や業種、母体によって協会けんぽか健保組合かが異なることがあり、それによって保険証の色が変わるというわけです。
保険証の色が違っても医療サービスに差はある?
保険証の色が異なっていても、基本的な医療サービスの内容に大きな差はありません。どちらも医療機関での受診や処方薬の取得、出産手当金など、法定の給付内容は共通しています。
ただし、健康保険組合の中には、独自の給付(例:人間ドックの補助や付加給付)を設けているところもあるため、加入先によってサービスに若干の違いが出る場合もあります。
保険証の種類と見分け方の具体例
実際に使われている保険証の一例として、以下のような見分け方があります。
保険証の色 | 発行元 | 特徴 |
---|---|---|
青色 | 全国健康保険協会(協会けんぽ) | 中小企業が中心。全国統一フォーマット |
黄色 | 健康保険組合 | 企業ごとにデザインが異なる。独自給付あり |
実際には、同じ業界・同じ地域でも企業ごとに加入保険制度が異なるため、「同じ職種なのに色が違う」ということはよくあります。
色が変わることもある?転職・会社変更時の注意
転職した場合、前職では協会けんぽ、次の会社では健康保険組合というように、保険制度が変わることはよくあります。それに伴い、保険証の色も変わる可能性があります。
また、企業が独自に健保組合を設立した場合、それまで青色だった保険証が黄色に変わるといったこともあり得ます。色の違いはあくまで制度的な違いであり、個人の待遇差とは直接関係がない点は安心してよいでしょう。
まとめ
社会保険証の色の違いは、正社員・非正社員といった雇用形態ではなく、「どの保険制度に加入しているか」によって決まります。青は協会けんぽ、黄色は健康保険組合など、発行元の違いを反映しているだけで、制度上の優劣ではありません。
色の違いに不安を感じた際は、所属している保険者名を確認し、具体的な給付内容や手当などを比較してみるとよいでしょう。
コメント