スポーツによるケガや慢性痛で整形外科に通っていると、「別の病院で診てもらいたい」と感じることがあります。特にリハビリ内容に納得できなかったり、専門性の高い医療機関への通院を希望する場合に起こりやすい悩みです。この記事では、整形外科を変更する際に気をつけるべき医療保険の扱いや手続きについて解説します。
同じ部位のケガで医療機関を変えるのは可能?
結論から言えば、同じ症状や部位の治療でも、複数の医療機関にかかること自体は健康保険上「原則問題ありません」。
ただし、短期間に複数の整形外科を並行して利用していると、健康保険組合が「重複診療」「重複請求」の恐れありと判断することがあります。
トラブルを避けるためには、前の医療機関の通院を終了し、通院先変更の理由を明確にすることが大切です。
変更理由の伝え方と注意点
転院を希望する際は、現在通っている整形外科に「職場の近くの病院に通いたい」など現実的な理由で申し出れば問題ありません。
丁寧に伝えることで紹介状を書いてもらえる可能性もあり、次の医師への情報共有にも役立ちます。紹介状がなくても受診は可能ですが、診断や治療方針の説明が重複する場合があります。
健康保険適用はどうなる?
転院先でも健康保険の適用は継続されますが、注意点として次が挙げられます。
- 同月に同一傷病名で2つの医療機関から算定されている場合、審査で照会が入る可能性あり
- 保険者(協会けんぽや健康保険組合)が医療内容を審査した結果、「不自然な受診」と判断されれば、一部の保険給付が却下されることも
確実に保険適用を受けるには、通院を一時中断せず「リハビリ終了→別院初診」の流れをつくることが望ましいです。
リハビリ目的での転院と算定単位の関係
理学療法や運動療法などのリハビリは、「月単位の算定制限(単位制)」があります。複数院で受けるとこの算定枠が重複し、保険上は「併用不可」と判断される場合があります。
例:A院で2単位受けたあと、同月中にB院で再度リハビリを希望する場合、B院の算定ができない(または自費扱いになる)可能性があります。
月が変わるタイミング、または紹介状による情報連携があるとスムーズです。
通院先を変える際のベストな流れ
- 現在の整形外科に「通院終了希望」を伝える
- 必要であれば紹介状を依頼
- 新しい医療機関で初診予約をとる
- 転院理由を明確にしておく
- 保険証を持参し、再度初診料を支払う覚悟を
まとめ
同じケガ・痛みで整形外科を変えることは原則として問題ありませんが、保険適用の継続やリハビリ算定の関係で注意すべき点があります。
- 医療機関の「併用」は原則避ける
- 紹介状があると転院がスムーズ
- 通院終了後に新たな病院を受診することで保険リスクが低減
スポーツ障害や慢性疾患の治療では、信頼できる専門医のもとで納得のいくリハビリを受けることが大切です。遠慮せずに自分に合った医療機関を選びましょう。
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