生活が苦しく、国民健康保険料やNHK受信料の支払いが難しいという状況は珍しくありません。特に年齢が上がるにつれ、収入も限られ、地方での一人暮らしでは最低限の生活を守ることすら困難になることがあります。本記事では、差し押さえ可能な収入の目安や、生活保護に近いラインで暮らしている人が知っておくべき制度や対策を解説します。
差し押さえができない「最低限の生活費」とは
日本の法律では、債務者が最低限の生活を維持するための財産や収入は「差し押さえ禁止財産」として保護されています。給与についても、一定額以下の部分は差し押さえることができません。
給与の差し押さえが禁止されるラインは、手取り月収が33万円以下(※給与所得者であれば原則この範囲)です。ただし、実際の差し押さえは、手取りが20万円を超える場合に段階的に実施されることが多く、生活状況や扶養状況によって柔軟に判断されます。
国保やNHKは強制徴収対象になることがある
国民健康保険料やNHK受信料は、未納が続くと財産や給与の差し押さえが行われる可能性があります。特に自治体によっては滞納に対して厳しい対応を取るケースもあり、延滞金の上乗せや、突然の差し押さえ通知が来ることもあります。
ただし、生活に困窮している場合は、各機関に申し出れば「分割納付」「減免」「徴収猶予」などの措置が取られることもあります。まずは相談することが最も大切です。
収入が少ない場合に使える免除・減免制度
● 国民健康保険:所得に応じて保険料の減免制度があります。自治体に「収入申告書」や「生活状況申立書」を提出し、条件を満たせば大幅な減額が可能です。
● NHK受信料:生活保護受給者や住民税非課税世帯には、免除制度があります。また、失業や低収入の申し出をすれば、「半額免除」「一時免除」などが認められることがあります。
収入が生活保護基準を下回るときの対応
単身者の場合、地域によって異なりますが、生活保護基準はおおよそ月10万円~13万円程度(住宅扶助含む)とされています。もし収入がこの水準を下回り、貯蓄もなく生活が困難であれば、生活保護の申請も選択肢の一つです。
生活保護を受けている間は、国保・年金・NHKの支払い義務が免除されるか猶予されるため、追い詰められる前に自治体の福祉課や社会福祉協議会に相談しましょう。
実例:収入月11万円での一人暮らしと対応策
地方都市に住む50代のEさんは、派遣で働きながら手取り月11万円。国保料が払えず差し押さえの通知が届いたものの、自治体に「生活が困窮している」と相談したことで、分納と減免が認められました。
また、NHKにも収入証明を提出したところ、1年間の受信料免除が適用。Eさんは「勇気を出して相談して良かった」と語ります。
まとめ:制度を知り、相談すれば生活を守れる
国保やNHKの支払いが難しいとき、ただ無視していると差し押さえに発展するリスクがありますが、きちんと事情を説明し、制度を活用すれば救済策はあります。
まずは収入と支出を整理し、自治体や公的機関に相談してみることが、生活の安定につながる第一歩です。誰もが使える制度ですので、遠慮せずに活用しましょう。
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