雹害による再請求は可能?車両保険を使った修理・現金受け取りのポイントと注意点

自動車保険

あいおいニッセイ同和損保の「タフ・クルマの保険」などの車両保険では、自然災害による被害も補償の対象です。とくに雹(ひょう)による車の損傷が増える中で、すでに保険金を一度受け取ったあとに再度雹害に遭った場合、再度請求できるのか、現金のみの受け取りは問題ないのかなど、気になるポイントが多いはずです。本記事では、車両保険における雹害対応と複数回の請求に関する実務的な対応と注意点を解説します。

雹害による車両保険の再請求はできる?

結論から言うと、同一年度内であっても別々の被害であれば再請求は可能です。たとえば、前回の雹害から数ヶ月後に再び雹により損害を受けた場合、それは新たな事故と見なされます。

ただし、前回の損傷が完全に修理されていたかどうかや、新たな被害部分が明確に確認できるかが、保険金の支払判断に大きく影響します。

知人の板金業者で修理しても問題ない?

保険会社は修理業者を指定することは原則としてありません。そのため、知人の業者を利用して修理した場合でも問題ありません

ただし、修理の証拠となる写真や領収書、作業内容が分かる資料を保管しておくことを強くおすすめします。これらは後日、保険会社が前回の損害と今回の損害を区別するための根拠資料となる可能性があるからです。

保険金だけ受け取る「現金受取」は繰り返しても良い?

車両保険は「実際の修理費に基づく補償」ですが、修理せずに現金だけを受け取ることも可能です。これを「現金受取」や「修理しない選択」と呼びます。

この方法は1度だけに限らず、被害の都度保険会社が妥当と認めれば繰り返し可能です。ただし、繰り返すことで以下のようなリスクがあります

  • 翌年以降の保険料が上がる(等級のダウン)
  • 車両査定額の減額対象になる
  • 未修理部分が次回被害と重なると補償対象外となる可能性

つまり、現金だけを受け取り続けるのは制度上可能ですが、将来的に「補償されない」「査定が下がる」などのマイナス面も理解しておく必要があります。

未修理車両が次回の保険請求に与える影響

保険会社としては、被害箇所が以前のものなのか、今回新たに発生したものなのかを判断する必要があります。

未修理の場合、「新しい損傷」と「前回の損傷」の判別が難しくなるため、保険金が一部しか支払われなかったり、補償対象外とされることもあります。

このため、修理の都度「写真記録」や「修理報告書」などを保存しておくことが、今後の請求をスムーズに進める鍵となります。

等級や保険料への影響はどうなる?

車両保険を使用すると多くの場合、等級が3等級ダウンします。これは翌年の保険料に大きく影響し、20~30%前後の保険料アップになることもあります。

また、等級が下がることで「事故有係数適用期間」が付加され、最大3年間にわたって高い保険料が続くことになります。これを避けたい場合は、「自費修理」や「保険を使わない」という選択も現実的です。

まとめ

雹による車両保険の請求は、被害が別である限り再請求も可能であり、現金のみの受け取りも認められる場合が多いです。しかし、繰り返し現金受取を行う場合には等級・査定・次回請求の制限など、慎重な判断が必要です。

今回の被害が新たなものであることを証明できるように、前回の修理記録や写真を保管し、必要に応じて保険会社に早めに相談しましょう。安心して保険を活用するためにも、記録と説明責任が今後のポイントです。

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