社会保険の任意継続と国民健康保険、どちらを選ぶ？退職と再就職の間を賢くつなぐ判断基準

会社を退職してから次の職場に就職するまでの間、多くの人が悩むのが「健康保険をどうするか」という問題です。社会保険の任意継続にするべきか、国民健康保険（国保）に切り替えるべきか、状況に応じた選択が求められます。この記事ではそれぞれのメリット・デメリット、判断材料をわかりやすく解説します。

任意継続とは？基本のしくみと注意点

任意継続被保険者制度は、会社を退職した人が条件を満たせば最長2年間、退職前の健康保険を継続できる制度です。最大の特徴は、保険内容は在職中と同じだが、保険料は全額自己負担になる点です。

例えば、在職中の月収が25万円程度であれば、保険料は月20,000〜25,000円前後になるケースが多いです。家族扶養がない場合でも、保険料はやや高く感じるかもしれません。

国保は市区町村が運営する保険で、収入状況に応じて保険料が決定されます。退職直後で年収が下がっていれば、国保の方が安くなるケースが非常に多いです。

実際、退職から再就職までの2ヶ月程度であれば、国保にしたほうがトータルで5,000円～10,000円ほど節約できたという声もあります。ただし自治体によって保険料の計算方法や減免制度が異なるため、役所で事前確認するのがおすすめです。

退職から再就職までが1〜2ヶ月程度と短期で、保険の切り替えや申請の手間を避けたい場合は、任意継続でも問題ありません。保険料がやや高くても、保険証を変える必要がなく通院もスムーズです。

一方で、少しでも支出を減らしたい、次の仕事が始まったらすぐに健康保険に入り直す予定がある、という人には国保の方が柔軟です。

つなぎのアルバイトをする場合、その勤務先で社会保険の適用がないケースがほとんどです。そのため、自分で国保に加入するか任意継続を選ぶ必要があります。月収が低めになりそうなら、国保の方が現実的に支払いが軽くなる可能性が高いです。

一方、新しい勤務先で9月から正社員として社会保険に加入できる場合、それまでのつなぎとして2ヶ月分だけ国保を選ぶのは合理的です。切り替えの手間はありますが、金銭面ではメリットが大きいでしょう。

社会保険の任意継続と国保、どちらが良いかは収入・期間・手間・優先度によって異なります。「多少高くても手間が少ない方がいい」なら任意継続、「少しでも保険料を抑えたい」なら国保が選択肢となります。

役所への相談やシミュレーションツールも活用しながら、自分に合った判断をしましょう。保険の切り替えは期限があるため、迷ったらすぐに行動することが重要です。