三井住友銀行が展開する「オリーブ」は、クレジット・デビット・ポイント還元などが一体化した新しい金融サービスです。最大還元率11%という高い還元率が注目を集めていますが、「預金額に応じた追加特典があるのか?」「まとまった資金を置いておくことでメリットはあるのか?」といった点が気になる方も多いはずです。今回は、オリーブ利用者が三井住友銀行に預金を置いておくことのメリットや、預金額による還元率や優遇特典の有無について詳しく解説します。
オリーブの還元率は預金額で変わる?
現時点(2025年7月現在)において、三井住友銀行の預金残高そのものが「オリーブ」のポイント還元率に直接影響することはありません。オリーブの還元率最大11%という数字は、以下のような条件を達成することで構成されています。
- Vポイントアッププログラム(コンビニ・飲食店でのタッチ決済利用)
- ゴールドカードやプラチナプリファードなどの上位カード利用
- 対象加盟店での支払い(セブン-イレブン・ローソン・マクドナルドなど)
- Visaのタッチ決済利用
つまり、「預金残高が高い=還元率が上がる」という直接的な仕組みは採用されていません。
預金額に応じた「SMBCポイントパック」の優遇はある
三井住友銀行では「SMBCポイントパック」という口座優遇サービスを展開しており、一定の条件を満たすとATM利用手数料や振込手数料が無料になる仕組みがあります。
預金残高もこの判定条件の一部になっており、たとえば以下のような判定項目が含まれます。
- 月末時点での預金残高が30万円以上
- 給与振込・年金受取の設定
- SMBCダイレクトの利用登録
ただし、600万円など高額預金者向けの特別還元プランや金利優遇などは、現在のところ三井住友銀行単体では展開されていません。
投資信託や外貨預金を組み合わせると優遇が増える
三井住友銀行に600万円以上の資金を預けるのであれば、定期預金・外貨預金・投資信託といった資産運用商品との組み合わせにより、別の形で優遇を受けることが可能です。
たとえば、SMBC日興証券との連携によって、残高や取引に応じたステージ制の優遇プログラム(ブリッジ口座連携など)を活用することもできます。これにより、ATM手数料のさらなる無料化や、金利優遇などが付与されるケースもあります。
高額預金に対する特典が存在する他行との違い
他の金融機関では、「預金残高500万円以上で住宅ローン金利優遇」「1,000万円以上で外貨スプレッド優遇」といった特典が明確に設定されていることもあります。
それに比べると、三井住友銀行のオリーブはあくまで「決済還元中心」であり、預金額による明確な還元率アップや現金特典は限定的です。そのため、600万円の資金を置いておくことのリターンは現状では限定的といえるでしょう。
預金を分散させる判断基準は?
資金の一部を他行に移すかどうかは、次のような要素で判断するのがポイントです。
- 他行での金利(定期預金やキャンペーン金利)
- 外貨・投資信託・証券口座との連携メリット
- 自分の生活圏で使いやすいATMや支店の有無
- 決済・送金に必要な口座連携のしやすさ
特にネット銀行(住信SBI・楽天銀行など)では、普通預金でも金利が0.2%以上となるケースがあり、資産運用を意識するなら預け先を分散させるのが合理的です。
まとめ:オリーブの還元率は預金額に連動せず、資産の使い方次第でメリットが分かれる
三井住友銀行「オリーブ」では、預金額によるVポイント還元率の上乗せはありません。ただし、SMBCポイントパックによる手数料優遇や、資産運用商品との連携によるメリットは活用可能です。
もし600万円というまとまった資金を運用する前提であれば、オリーブは決済特化、預金は金利や特典重視の銀行に分ける戦略もおすすめです。自分の目的に合わせたバランスを取りながら、効率よく資産を活かすことが大切です。
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