障害基礎年金は「働ける年齢の大人」が対象と思われがちですが、実は未成年でも受給できるケースがあります。特に精神障害2級などで日常生活や就労に著しい制限がある場合は、支給対象に該当する可能性が十分にあります。本記事では、障害基礎年金の支給要件や未成年の受給条件、実際の事例を交えて解説します。
障害基礎年金とは?支給対象の基本
障害基礎年金は、日本年金機構が運営する制度で、主に国民年金に加入している人が障害状態になった際に支給されます。
しかし、20歳未満の未成年者でも、「20歳前傷病による障害年金」の制度によって、保険料納付要件がなくても受給できる仕組みが設けられています。
未成年が対象となる「20歳前障害年金」とは
未成年(原則20歳未満)で発病または障害の状態になった場合は、「20歳前障害」に該当します。これは、保険料の納付状況に関係なく受給できる特例です。
たとえば、18歳の高校生が統合失調症や発達障害などで精神障害等級2級に該当し、日常生活に著しい制限があれば、20歳を迎える前後で障害基礎年金の受給を申請することができます。
精神障害2級は受給対象になるのか
精神障害者保健福祉手帳の等級とは別に、障害年金では「障害等級表」に基づいて判定が行われます。精神障害2級は、次のような状態に該当することが目安です。
- 日常生活において常時援助が必要
- 就労は著しく困難、または不可
- 対人関係が著しく制限される
これらの状態に該当すれば、精神障害2級でも十分に支給対象となります。
申請手続きのポイント
障害基礎年金を申請する際には、「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が重要な書類になります。未成年での申請の場合は、保護者が代わりに手続きを行うことも可能です。
診断書は「精神の障害用」の様式が必要で、日常生活能力の程度と判定が支給可否に大きく影響します。過去の医療機関での通院歴や療育手帳の有無なども添えて申請しましょう。
よくある誤解と実際の事例
「未成年には支給されない」「学生は対象外」などの誤解がインターネット上には多くありますが、それは正確ではありません。
実際に、15歳で広汎性発達障害と診断され、20歳時点で障害基礎年金2級を受給しているケースや、高校在学中から引きこもり状態のために受給が認められた事例も複数存在します。
まとめ:未成年でも障害基礎年金の支給は可能
未成年であっても、「障害の程度」が一定基準を満たしていれば、障害基礎年金の支給対象になります。特に精神障害2級で日常生活に支障がある場合は、20歳前障害年金の申請を検討すべきです。
最終的な可否は日本年金機構の審査次第ですが、年金機構の公式サイトや、障害年金の相談窓口を活用し、専門家のサポートを得ながら進めることをおすすめします。
コメント