YouTuberや配信者が知っておくべき青色申告の節税効果と導入メリットとは？

個人で活動するYouTuberやライブ配信者にとって、収益が安定してくると必ず意識すべきなのが「税金対策」です。特に収入が増えるにつれ、節税の手段として注目されるのが「青色申告」です。本記事では、青色申告の仕組みやメリット、そして実際にどれくらい節税効果があるのかを解説します。

青色申告とは？白色申告との違いをおさらい

青色申告は、一定の帳簿を備えて正確な記帳を行うことで、税制上の特典が受けられる申告制度です。これに対し、白色申告は簡易な記帳で済むものの、控除や優遇措置がありません。

青色申告には「65万円控除」や「赤字の繰越」などのメリットがあります。これらは特にフリーランスとして活動する人にとって、非常に魅力的な制度です。

1. 最大65万円の所得控除
正規の複式簿記で帳簿をつけて申告すれば、最大で65万円の所得控除が受けられます。仮に税率20%の人であれば、それだけで約13万円の節税効果があります。

2. 赤字を3年間繰り越せる
活動初期などで赤字になっても、その損失を翌年以降3年間の利益と相殺できます。これにより、軌道に乗った後の税負担を減らすことが可能です。

3. 家族への給与を経費にできる
事業専従者として届出を行えば、家族に支払った給与を経費にすることができます。たとえば配信の編集を手伝ってもらった家族に対して支払った報酬が対象になります。

たとえば、年間収入500万円、経費150万円のYouTuberがいたとします。白色申告の場合、課税対象は約350万円になりますが、青色申告で65万円控除を受けると285万円が課税対象になります。

さらに、もし前年が赤字で50万円だった場合は、その赤字も差し引くことができ、実際の課税対象は235万円にまで下がります。税率に応じて数万円から十数万円の差が出ることも珍しくありません。

青色申告を行うには、まず税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。これらは事業を始めた日から2ヶ月以内、もしくはその年の3月15日までに提出する必要があります。

帳簿の記帳は複式簿記が必要ですが、最近ではクラウド会計ソフトを使えば、簿記の知識が少ない人でも対応可能です。freeeやマネーフォワードなどが人気です。

青色申告はメリットが大きい一方で、複式簿記による帳簿付けが必須であるため、帳簿を正確に管理する責任が伴います。記帳を怠ると、控除が受けられない可能性もあります。

また、期限までに申請書を提出しなかった場合、その年は青色申告ができず、白色申告になってしまうので注意が必要です。

YouTuberやライブ配信者として活動を本格化させていくなら、青色申告は大きな節税効果をもたらす有力な選択肢です。導入には多少の手間がかかるものの、長期的な収入が見込める人ほどメリットが大きくなります。

節税は「知っているかどうか」で差が出る世界です。正しい知識を持ち、早めに準備することが成功への第一歩となるでしょう。