これまで国民年金保険料の納付猶予を受けていた方が、再び納付を開始する場合、「いつの分から支払うのか?」は重要なポイントです。この記事では、猶予期間が終了したあとの納付順や、過去分の扱い、時効の影響などをわかりやすく解説します。
納付猶予から通常納付へ切り替わった場合の支払い優先順位
納付猶予が終了し、通常の納付義務が発生した場合、基本的には「今年度分(最新年度)」からの支払いが優先されます。つまり、現時点で送られてくる納付書や口座振替は、令和6年度(2024年度)などの最新分が対象です。
一方で、過去の猶予分を納付するには、自分から「追納」の申請をする必要があります。
追納とは?猶予期間中の保険料をさかのぼって支払う方法
猶予を受けていた保険料は、10年以内であれば追納可能です。ただし、猶予を受けた期間のうち一部については、追納時に「加算金(延滞金に似たもの)」がかかることがあります。
たとえば、令和3年度の猶予分を令和6年度に追納する場合、加算金が発生する可能性があります。追納した分は将来の年金受給額にも反映されるため、経済状況に応じて検討する価値があります。
過去分から支払うことも可能だが「時効」に注意
過去の未納期間があり、追納の対象ではない(猶予や免除を受けていない)場合、それらは通常2年で時効により納付不可となります。ただし、猶予が認められていた期間であれば、最大10年間追納できるため、時効のカウントは始まっていません。
つまり、令和3年度の猶予を受けていた場合は、令和13年度まで追納できますが、未納のまま放置すると老齢基礎年金の受給資格に悪影響を及ぼす可能性があります。
支払いの順番を変更したい場合は窓口相談が必要
通常の納付は「当年度分」から支払われますが、「猶予分の追納を優先したい」「過去の年度分を先に払いたい」という場合は、年金事務所での申し出が必要です。納付書の発行や加算金の計算も行ってもらえます。
なお、納付書で支払う場合は、対象年度が明記されているので、誤って別年度の分を納付しないように注意しましょう。
実例:猶予終了後の納付ケース
例)令和2年〜令和4年の3年間猶予→令和5年度から納付義務再開
この場合、納付書が送られてくるのは基本的に令和5年度以降の分。令和2〜4年度分の追納を希望する場合は、追納申請が必要です。
猶予分の保険料は追納しなくても老齢基礎年金の受給資格期間にはカウントされますが、年金額には反映されません。
まとめ:原則は「今年度分」から、追納は任意で対応
納付猶予が終了すると、国民年金の支払いは今年度分から始まるのが基本です。過去の猶予分を支払いたい場合は、追納の手続きを行えば10年以内なら納付可能ですが、時効や加算金の条件にも注意が必要です。
老後の年金額に差がつくポイントでもあるため、追納すべきか悩んだら、自分の納付履歴や将来の受給額を含めて、年金ネットや日本年金機構のサービスで確認するのがおすすめです。
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