毎年6月頃になると、多くの人のもとに「特別区民税・都民税・森林環境税額決定通知書」が届きます。給与から住民税が天引き(特別徴収)されている方でも、この通知が届くことに違和感を覚える方も少なくありません。この記事では、なぜ通知書が届くのか、何が書かれているのか、そしてどこを確認すれば良いのかをわかりやすく解説します。
住民税の課税通知書とは何か?
住民税の「税額決定・納税通知書」は、市区町村がその年度の住民税の金額を正式に決定し、納税者に通知する文書です。これは、課税内容を証明する法的な意味も持ちます。
会社員の場合、通常は「特別徴収」といって会社が税金を給与から天引きし、市区町村に納める仕組みです。しかし、その税額の根拠を示すため、本人宛に通知書が送られるのが通例です。
給与天引きでも通知書が届く理由
給与から住民税が引かれていても通知書が届く理由は主に以下の3つです。
- 課税内容の確認のため:前年度の所得や控除内容が記載されています。
- 会社とは別に本人にも控えが必要:自分で確認し、誤りがないか把握することが推奨されています。
- 証明書として使える:奨学金申請や扶養確認などの場面で課税証明書として代用可能な場合があります。
つまり「払っていない人に届く」のではなく、「課税された全員に届く通知書」なのです。
確定申告をして還付されたのに届くのはなぜ?
確定申告によって還付があったとしても、それは主に所得税の還付であり、住民税とは別の税目です。住民税は前年の所得を基に計算され、6月から翌年5月までの期間に課税されます。
そのため、還付を受けたとしても住民税の課税対象に該当していれば、当然通知書が届くことになります。住民税の還付ではなく、減額や非課税であった場合は通知書にその旨が記載されます。
通知書で確認すべきポイント
通知書が届いたら以下の点を必ずチェックしましょう。
- 前年の所得金額と各種控除額
- 住民税額(都民税・区民税などの内訳)
- 特別徴収の月割り金額(給与から引かれる額)
- 森林環境税の記載(全国一律年1,000円が基本)
もし不明点や明らかに誤っていると感じる箇所があれば、通知書に記載された役所の窓口へ問い合わせるとよいでしょう。
森林環境税とは?なぜ含まれている?
森林環境税は、地球温暖化防止や森林整備のために国が導入した制度で、2024年度から本格的に徴収が始まりました。住民税と一緒に徴収されるため、通知書に一体で記載されています。
全国一律で1,000円が徴収されており、各自治体の森林整備に活用されています。特に申告などは不要で、住民税の一部として自動的に含まれます。
まとめ:通知書は“請求”ではなく“説明”のために届く
「給料から天引きされているのに通知書が届いた」というのは、課税内容や天引き額を通知するための行政手続きの一環です。税金を支払うよう新たに請求されているわけではありません。
自身の所得や税額、控除の内訳などを把握する機会と捉え、通知書はしっかり目を通すようにしましょう。
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