「使わなければ戻る」返戻金付きがん保険の仕組みと賢い選び方

生命保険

がん保険に加入する際、多くの人が「使わなかったら損になるのでは?」と不安に感じるものです。実は近年、一定の条件を満たすと支払った保険料の一部または全額が戻ってくる「返戻金付きがん保険」が登場しています。本記事では、そうした保険の仕組みや選び方、注意点について解説します。

返戻金付きがん保険とは?

返戻金付きがん保険とは、がんと診断されなかった場合に、満期時や一定年数後に保険料が一部または全額返ってくるタイプの保険です。別名「払戻型」「無事故返戻型」「リターン型」とも呼ばれることがあります。

たとえば、30年間保険料を支払い、期間内にがん診断給付金などの保険金を一切受け取らなかった場合、満期時に支払った保険料が戻ってくる仕組みです。

返戻金付きがん保険の代表的な商品

以下に、2024年現在提供されている主な返戻金付きがん保険を紹介します。

  • チューリッヒ生命「終身がん治療保険プレミアム(払戻金あり型)」:保険期間中にがんと診断されず、所定の年齢まで継続した場合に、払込保険料が全額返還されます。
  • メットライフ生命「ガードエックス返戻金型」:一定期間無事故で契約が満了すると、払込保険料の約80%が戻る設計。
  • オリックス生命「がん保険Withリターン」:健康ボーナス型で、給付金未請求の場合に特約で払戻があるタイプ。

※商品は随時改定されるため、最新の資料請求や比較サイトの利用をおすすめします。

返戻型がん保険のメリットとデメリット

メリットは、保険未使用時の損失感を回避できる点です。長期的に健康だった場合も無駄にならず、資産形成的な要素も期待できます。また、加入者の精神的安心感も高まります。

一方デメリットとして、通常のがん保険よりも保険料が高く設定されています。また、満期前に途中解約すると返戻金がない、または大幅に減額される点にも注意が必要です。

返戻型保険と通常のがん保険、どちらを選ぶべき?

選び方のポイントは「保障の目的と予算」にあります。以下のような判断基準が参考になります。

  • コストを抑えて保障を重視:→ 通常のがん保険
  • 万が一に備えつつ、使わなかったら戻ってきてほしい:→ 返戻金付きがん保険
  • 貯蓄性も重視し、老後の備えにしたい:→ 終身型で返戻ありタイプ

例えば、保険を20年継続して未使用なら100万円戻るタイプの保険と、月々3,000円で同程度の保障内容の通常型を比較した場合、「戻るお金=貯金」として考えるか、「保険は保険」と割り切るかが選択の分かれ目になります。

実際に使わなかった人の体験談

50代の女性Aさんは、30代で返戻金付きがん保険に加入。20年間無事に保険期間を満了し、保険料約150万円が満額返ってきました。「健康だったご褒美のようで、旅行資金に使えた」と話しています。

一方で、40代の男性Bさんは保険料の高さから途中で解約。返戻金はわずか10万円にとどまり、「途中解約するなら通常型が正解だった」と後悔しています。

まとめ:返戻型がん保険は“損しない安心感”が魅力

「使わなかったら損」と思ってしまいがちな保険ですが、返戻型がん保険ならその不安を解消できます。保険料と返戻条件をよく確認した上で、自分の健康状態や家計状況に合った商品を選ぶのが大切です。特に「貯金代わりに使いたい」「保険料が無駄にならない安心感がほしい」と感じている方には、魅力的な選択肢と言えるでしょう。

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