傷病手当金の申請において、退職後の手続きは現役時と少し異なります。特に申請書類の提出先や申請期限、必要書類の取得方法などで迷う方が多く、申請漏れや不備につながることも。この記事では、会社を退職した後に傷病手当金を申請する場合の正しい流れと注意点についてわかりやすくご紹介します。
退職後の申請書類の提出先は「協会けんぽ」
在職中であれば、傷病手当金の申請書は勤務先の担当部署を通じて提出しますが、退職後は直接「協会けんぽ(全国健康保険協会)」へ郵送する必要があります。
これは、退職によって会社が保険者としての関与を終了するためです。傷病手当金の受給資格が継続している場合(資格喪失後継続給付)、協会けんぽが窓口となります。
申請書類の入手と記入のポイント
協会けんぽの公式サイトから「傷病手当金支給申請書」がダウンロードできます。申請書には以下の4つの欄があります。
- 被保険者記入欄(本人記入)
- 医師の意見欄(診断書)
- 事業主記入欄(退職済の場合でも必要)
- 療養担当者記入欄(病院側)
退職後でも「事業主記入欄」は必要です。前職の会社に依頼して、勤務状況や報酬額等を記入してもらう必要があるため、できるだけ早めに連絡を取りましょう。
傷病手当金の受給には条件がある
退職後でも傷病手当金の受給が可能なケースは以下のとおりです。
- 退職日以前に傷病手当金を受給していた、またはその原因となる病気やけがで継続して労務不能である
- 退職日まで健康保険の被保険者であった
- 退職日翌日から引き続き労務不能の状態が続いている
これらを満たせば、最長1年6ヶ月の間、継続して支給を受けることができます。
郵送時の注意点と送付先住所
申請書類がすべて揃ったら、協会けんぽの各都道府県支部あてに郵送します。送付先の住所は協会けんぽ公式サイトで確認可能です。
郵送時には以下の点に注意しましょう。
- 簡易書留やレターパックプラスなど追跡可能な方法で送付
- 書類に記入漏れや不備がないかチェック
- 診断書(医師の意見欄)は日付に注意(遡って記載不可)
実例:退職後に申請したAさんのケース
Aさんは2024年6月25日までに病気で休職し、6月26日に退職。7月23日に医師の診断書を受け取り、申請書を揃えて協会けんぽに郵送しました。Aさんは退職前にすでに労務不能であったため、継続給付が認められ、支給が開始されました。
このように、退職後でも条件を満たせば支給対象になるため、慌てずに申請手順を確認することが大切です。
まとめ:退職後の傷病手当申請は「協会けんぽへ」郵送しよう
退職後の傷病手当金の申請では、勤務先を通さず、直接「協会けんぽ」へ郵送するのが基本です。会社の記入が必要な書類もあるため、早めに準備し、不備のないように整えてから提出しましょう。
傷病手当金は体調が万全でない中での手続きとなることが多いため、無理をせず、家族や友人の協力も得ながら確実に進めていくことをおすすめします。
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