車の事故後、修理費は保険を使うべき?過失割合と通院中の費用をふまえた負担軽減の考え方

自動車保険

交通事故に巻き込まれた際、車の修理費や通院費、そして保険料の影響など、複数の要素を考慮しなければなりません。特に「保険を使うかどうか」は、自費負担に直結するため、慎重な判断が求められます。この記事では、過失割合が7:3または8:2のケースで、修理費30万円・保険料上昇3.4万円といった条件を踏まえ、なるべく自費負担を減らすための具体的な判断ポイントと対処法を解説します。

保険を使うと翌年以降の保険料が上がる?

自動車保険では、事故で保険を使うと等級が3等級ダウンし、事故有係数適用期間が3年間続くのが一般的です。これにより、平均して3年間で約3~5万円程度の保険料増額が発生すると言われています。

例えば、今回のように「保険を使うと3.4万円上がる」と見積もられている場合、それが一時的なものではなく、3年で10万円近く増額になる可能性もあります。

過失割合7:3や8:2なら相手の保険からいくら出る?

修理費が30万円で、あなたの過失が2割(8:2)とすると、相手側の保険から支払われるのは30万円 × 80% = 24万円。自己負担は6万円です。

これを保険を使わずに負担する場合、6万円だけ自己負担となりますが、保険を使った場合は免責金額を除いてほぼ全額カバーされます。ただしその代わりに、先述の保険料アップが発生します。

このため、「保険を使うと将来的に損になるか得になるか」を比較することが大切です。

通院費や慰謝料はどう活用できる?

事故による通院がある場合、相手側保険から以下のような費用が支払われる可能性があります。

  • 通院交通費(公共交通機関やタクシー代)
  • 通院慰謝料(1日通院につき4,200~8,600円程度)
  • 休業損害(アルバイトやパートでも申請可能)

これらを合わせると、軽傷でも10万~30万円程度支払われるケースもあります。
この慰謝料等で発生する金額を「修理費の自己負担に充てる」ことが可能です。

つまり、保険は使わずに自己負担額(6~9万円)を慰謝料等で相殺し、結果的に「自腹ゼロ」で済む可能性があるということです。

保険を使うか判断するチェックポイント

以下のような点を確認して、保険を使うべきかどうかを判断しましょう。

  • 相手側の過失割合が大きく、保険からの支払いが高額になるか?
  • 修理費の自己負担分が慰謝料や交通費で相殺できそうか?
  • 保険を使った場合の保険料アップ額(3年間合計)と自己負担額、どちらが大きいか?
  • 今後も事故を起こす可能性が高いか?(保険等級維持が重要な場合は使わない方が得)

総合的に比較して「保険を使うデメリットが大きい」と判断すれば、使わない選択も合理的です。

実例:保険を使わなかった判断と結果

■ 30代女性:事故の過失割合8:2で修理費30万円。相手保険から24万円支払われ、自己負担6万円。通院による慰謝料が12万円支払われたため、6万円は慰謝料から補填して結果的に保険を使わずに済んだ。

■ 40代男性:同様の過失割合で修理費25万円。自分の車両保険を使用し、自己負担ゼロ。ただし、保険料は年間1.2万円アップ。3年間で3.6万円増となり、結果的に「使わなければ良かったかも」と後悔。

まとめ:総額比較で判断し、自費負担ゼロを目指す

車の事故後の費用負担を最小限に抑えるには、「修理費」「慰謝料」「保険料アップ」を総合的に見て判断することが重要です。慰謝料等で得られる金額が自己負担を上回る場合、保険を使わずに済ませた方がトータルでは得になることもあります。

迷った場合は、保険会社・弁護士・交通事故に強い行政書士などに相談し、あなたにとって最も負担の少ない選択肢を選びましょう。

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