定期預金を組む際、同じ元本でも「単利」か「複利」かの選択によって、3年後の利息総額には明確な違いが生まれます。この記事では、「①1000万円を単利で3年定期」か「②500万円×2口を複利で3年定期」かという選択を例に、どちらがよりお得になるのかを具体的にシミュレーションしながら解説します。
単利と複利の違いとは?
まずは基本を押さえておきましょう。
- 単利:元本にのみ利息がつく。利息は元本に加算されず、毎年同額の利息。
- 複利:利息が元本に組み込まれ、次年度はその合計に対して利息がつく。
複利は“利息が利息を生む”仕組みのため、長期になるほど複利の効果が大きくなります。
前提条件を設定してシミュレーション
以下の条件で比較してみます。
- 預金額:①1000万円単利/②500万円×2口の複利
- 預金期間:3年間
- 金利(年利):仮に1.0%とする(税引前)
- 税引き後利息:約0.79685%(20.315%の税金控除を想定)
シミュレーション結果
プラン | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 利息合計 |
---|---|---|---|---|
①単利(1000万円) | 79,685円 | 79,685円 | 79,685円 | 約239,055円 |
②複利(500万円×2口) | 39,842円 | 40,160円 | 40,480円 | 約240,964円 |
→ 複利運用の方が約1,900円多く利息を得られる結果に。
なぜ複利が有利なのか?
複利のメリットは、利息に対しても利息が加算される点です。
例えば500万円を1年複利で運用すると、利息39,842円が翌年は元本と合算され、500万+利息に対して利息が発生します。つまり、年を追うごとに加速度的に利息が増えていくのです。
注意点:複利に向かないケースも
複利は元本が大きく、運用期間が長くなるほど効果が出ますが、以下の点には注意が必要です。
- 途中解約時には元本割れや利息が減る可能性あり
- 金利が低すぎると単利との差は誤差程度
- 商品によっては自動複利設定ができない場合も
また、定期預金の種類によっては満期後に自動継続(元利継続)や元本継続など選択肢があります。契約時にきちんと確認しましょう。
まとめ:3年以上運用するなら複利が有利
同じ金利・期間でも「単利」と「複利」では受け取る利息が変わってきます。
- 短期運用(1年以下)ならどちらも大差なし
- 3年以上の定期運用を考えるなら複利が有利
- 大きな元本×長期運用×高金利で複利効果が最大化
定期預金は「安全資産」として資産運用の土台となる重要な選択です。単利か複利か、契約内容をよく理解し、利息の最大化を目指して資産設計を行いましょう。
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