住宅購入は人生の中でも大きな決断の一つです。多くの家庭では長期にわたる住宅ローンを組むことになりますが、万が一の事態に備えた「保険」について考えることは非常に重要です。特に主たる返済者に万が一のことがあった場合、返済はどうなるのか、不安を抱く方も多いでしょう。この記事では、住宅ローン返済中のリスクに備える保険制度について解説します。
団体信用生命保険(団信)とは
住宅ローン契約時に多くの金融機関で加入が義務付けられるのが「団体信用生命保険(通称:団信)」です。これは、ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険会社が残りのローン残高を肩代わりしてくれる保険です。これにより、遺された家族がローンの支払いに悩まされることなく住み続けられるという大きなメリットがあります。
例として、3,000万円の住宅ローンを返済中のご主人が不慮の事故で亡くなった場合、団信に加入していればその時点の残債が全額返済され、家族は無借金で自宅を保有できます。
団信にはさまざまな種類がある
団信には基本的な「死亡・高度障害補償型」以外にも、さまざまな特約が用意されています。たとえば以下のようなものがあります。
- 三大疾病保障付き団信: がん・心筋梗塞・脳卒中のいずれかに該当した場合に保険が適用される。
- がん団信: がんと診断されただけで保険が適用されるタイプ。最近は加入者ニーズの高まりでこのタイプを選ぶ人が増えています。
- 就業不能保障団信: 病気やけがで長期の就業不能状態が続いたときに補償が出るもの。
保険料は住宅ローン金利に上乗せされる形で支払う場合が多く、特約の内容によって金利が0.1~0.3%ほど上がることもあります。
団信以外で備える選択肢も
団信は非常に有用な保険制度ですが、持病などで団信に加入できない場合や、フラット35など団信が任意の住宅ローンを選んだ場合には、自分で代わりとなる生命保険を用意する必要があります。具体的には次のような方法があります。
- 定期保険:住宅ローン残高に合わせて保障額を設定できる。期間をローン返済期間に合わせると合理的。
- 収入保障保険:死亡時に毎月一定額が支給される。生活費補填としても有効。
たとえば、3,000万円の住宅ローン返済期間が30年であれば、同期間・同額の定期保険に加入することで万が一の保障を確保することが可能です。
加入している人は多いのか?
住宅ローンを利用している多くの方が、団信やそれに類する保障に加入しています。特に民間銀行を利用する場合は、団信加入がローン契約の条件となることが一般的です。加えて、がん団信や三大疾病団信といった手厚い保障を付ける方も増加傾向にあります。
ただし、フラット35を利用する方や、自営業者で団信加入が難しい場合には、代替保険を選んでいる方も少なくありません。
まとめ
住宅ローン返済中に返済者が死亡した場合に備える保険として、団信は非常に心強い存在です。ローン契約時には必ず内容を確認し、自分や家族に合った保障内容を選ぶことが大切です。がんや就業不能といったリスクにも対応できる特約の選択肢も豊富にあります。
住宅ローンを検討する際は、金利や返済プランだけでなく「万が一への備え」もセットで考えましょう。それが将来の安心へとつながります。
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