長年勤務していたにもかかわらず、退職後に雇用保険の未加入が判明するケースは少なくありません。本記事では、事業主側が雇用保険に事後加入した場合における、被保険者証の発行時期や対応の流れについて詳しく解説します。
雇用保険に後から加入する場合の手続きフロー
雇用保険は、労働条件を満たす従業員を雇った際に事業主が加入手続きを行う義務がありますが、まれに未手続きのまま勤務が継続されてしまうケースがあります。後から手続きする際は、過去分の就労証明などを添えて「遡及適用」を申請します。
申請先は原則として会社所在地を管轄するハローワークで、事業主が「雇用保険適用事業所設置届」や「被保険者資格取得届」を提出します。
雇用保険被保険者証の発行までにかかる期間
通常の加入手続きであれば、書類提出から1週間〜10日程度で被保険者番号が発行され、被保険者証が事業主へ郵送されます。ただし、事後申請や遡及適用の場合、内容確認や審査に時間がかかるため、2週間〜1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
1ヶ月を超える場合は、書類不備や確認待ちで手続きが停滞している可能性があるため、会社や社労士に進捗確認を依頼することをおすすめします。
未加入で保険料だけ天引きされていた場合の対応
雇用保険に加入していないにもかかわらず給与から保険料が天引きされていた場合、不当控除に該当する可能性があります。この場合、事業主には返金義務や補填義務があると解されます。
明確な証拠(給与明細、源泉徴収票など)をもとに、返金または遡及加入による被保険資格の取得を求めるとよいでしょう。
会社が対応しない場合の相談先
会社や社労士が非協力的な場合は、ハローワークの適用課へ直接相談することが可能です。また、労働基準監督署や全国社会保険労務士会連合会への相談も選択肢の一つです。
内容証明郵便で正式な請求書を送るなど、証拠を残しつつ対応することで、法的トラブルへの備えにもなります。
実際のトラブル事例
ある女性労働者は、20年近く働いた会社を退職後、失業保険の申請時に雇用保険未加入だったことが発覚。社労士経由での遡及加入に1ヶ月以上かかり、不信感からハローワークに直接相談した結果、会社に是正指導が入ったという事例もあります。
まとめ:未加入が判明したら早めの行動を
雇用保険の未加入が発覚した際は、まず給与明細や就労実績を整理し、会社に速やかな手続きを求めましょう。1ヶ月以上かかる場合は、ハローワーク等の第三者機関への相談も視野に入れ、納得できる対応を引き出すことが重要です。
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