医療保険選びは、保障内容やコストパフォーマンスだけでなく、どのような特典や給付金があるかも重要なポイントです。中でも「チューリッヒの終身医療保険」は、3年ごとに10万円の支給があるという特典が注目を集めていますが、その実態はどうなのでしょうか。本記事では、その仕組みとメリット・デメリット、他社との比較を通して、保険選びの参考になる情報をお届けします。
チューリッヒの終身医療保険とは
チューリッヒ生命の終身医療保険は、主に入院・手術・先進医療に対応した保障が受けられる保険商品です。「終身型」のため、一生涯にわたり保障が継続される点が特徴で、老後の医療費リスクにも備えられます。
さらに注目されているのが、「健康還付ボーナス」として知られる制度です。これは、一定の条件を満たした場合、3年ごとに10万円が給付される仕組みで、保険料を払うだけでなく、一定の金銭的なリターンも得られるというのが魅力となっています。
3年ごとの10万円支給の条件とは
10万円の支給を受けるには、基本的に「過去3年間、所定の入院・手術の給付を受けていない」などの健康状態に関する条件を満たす必要があります。健康であることが前提となるため、病気やケガで給付を受けた場合は、その年のボーナス支給はありません。
つまり、実質的には“健康割戻し”に近い制度であり、毎月の保険料の一部が戻ってくるような位置づけです。ただし、保険料そのものは他社の同等保障よりやや高めになる傾向があるため、その点も考慮が必要です。
本当にお得?コストパフォーマンスを検証
月額保険料が仮に5,000円とした場合、3年間で支払う金額は約18万円です。ここで10万円の給付を受けられれば、「実質8万円の支払い」で済んだようにも感じられますが、以下のような注意点があります。
- 病気やケガで給付を受けた場合は、10万円の支給はなし
- 支給金額は一律10万円ではなく、契約内容や年齢により変動する
- 3年ごとの更新タイミングで見直し・条件変更の可能性あり
つまり、「健康で何もなければお得だが、そうでなければ通常の保険と同じ」といった、やや“運”に左右される側面もあるのが事実です。
他社医療保険との比較ポイント
チューリッヒのように「定期的な支給」があるタイプの医療保険は珍しく、一種のキャッシュバック型といえます。他社では、以下のような比較対象が挙げられます。
- オリックス生命「新キュア」:入院・手術給付の手厚さで人気
- メディケア生命「メディフィットA」:月額保険料が抑えめ
- ライフネット生命「じぶんへの保険3」:ネット完結型でシンプル設計
これらと比較すると、チューリッヒは「保障+ボーナス型」の独自性があるものの、コスト面ではやや割高感があるため、「保障重視」か「還付重視」かで選択が分かれます。
加入者の声や実例も参考に
実際の加入者の声では、「健康還付がモチベーションになる」「給付を受けずに健康だったことが報われる感じがする」というポジティブな意見がある一方、「少し高い保険料の割に保障は並レベル」といった声もあります。
40代男性会社員の例では、「入院歴なしで初回の10万円が支給された」という実績がある反面、60代女性のケースでは「初年度で手術給付を受けたため、還付なし」といったケースも見られました。
まとめ:お得かどうかは“健康状態”と“価値観”次第
チューリッヒの終身医療保険は、3年ごとの10万円支給があることで注目されていますが、そのお得度は加入者の健康状態や価値観に大きく左右されます。保険料の高さを“還付”で回収できる人にとっては魅力的ですが、保障内容とのバランスや他社との比較もしっかり行ったうえで検討することが重要です。
医療保険を選ぶ際には、保障の手厚さ、月額保険料、そして長期的なメリット・デメリットを冷静に比較することが、後悔しない選択につながります。
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