保険に詳しくない方でも、「終身保険は解約してもお金が戻ってくる」といった話を聞いたことがあるかもしれません。この記事では、終身保険の基本的な仕組みと「30年後に約9割戻る」という認識が正しいのか、さらに医療保障としての価値までわかりやすく解説します。
終身保険とは?資産性もある保険の基本
終身保険は、契約者が亡くなるまで保障が続く「死亡保険」が基本構造です。ただし、解約返戻金があるため、一定期間継続すると支払った保険料の一部〜大半が戻ってきます。
この解約返戻金は、満期型ではなく「解約したときの戻り」として設定されており、保険会社・プランによって異なります。
30年後に9割戻るのは本当?数字の読み方
仮に30歳で終身保険に加入し、月額3,000円で30年間支払った場合、支払総額は約108万円。返戻率が90%であれば、解約時に約97万円が戻ってくる計算になります。
これは「利回り」ではなく、あくまで支払額に対する返戻率。90%程度が戻る商品は実際にありますが、途中解約や短期解約では大きく下回ることもあるため、契約書の返戻率表は要確認です。
医療保障付きタイプなら“実質1割の出費”感覚も可能
終身保険の中には、入院給付金や手術給付金などの医療保障が付いているタイプもあります。この場合、保障を受けつつ、最終的にお金が戻る仕組みが可能です。
実際に入院して保険金を受け取ったとしても、解約返戻金が減るわけではないケースもあります。つまり、保障を受けながら最終的に多くのお金が戻る=「損が少ない」保険として活用できるわけです。
気をつけたい3つの落とし穴
- 早期解約は損になる:10年以内の解約では返戻率が50〜70%になる場合もあります。
- 途中で保障内容が変わることも:特約(医療保障など)は更新型が多く、後半になると保険料が上がることもあります。
- インフレに弱い:30年後に戻る90万円は現在価値よりも低下する可能性があり、投資商品とは性質が異なります。
終身保険は“貯蓄と保障”の中間にある選択肢
「保険をかけ捨てではなく、いずれ戻ってくる仕組みにしたい」と考える方にとって、終身保険は非常に相性の良い商品です。実質1割の出費で30年間の医療保障を受けられるという視点は、まさに「コストを抑えた保険活用」といえるでしょう。
まとめ:終身保険はメリットも多いが“契約内容の確認”が重要
終身保険は、長く続けることで解約時に大部分が戻る設計になっている商品が多く、保障を受けつつ「損が少ない」使い方が可能です。ただし、保険会社や商品によって返戻率や特約の扱いが異なるため、契約時にしっかり確認することが成功のカギです。
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