大学生アルバイトの方にとって、確定申告や源泉徴収の仕組みはなかなか馴染みがなく、不安に感じることも多いでしょう。特にバイトを掛け持ちしている場合、どちらの勤務先を「甲」、どちらを「乙」にするかで、税金の引かれ方も変わってきます。この記事では、2024年の確定申告をテーマに、年収103万円以下での還付の可能性について詳しく解説します。
「甲」と「乙」の違いとは?
アルバイトの勤務先には、税務上「甲」と「乙」の2つの区分があります。「甲」は主たる収入先で、所得控除が考慮されるため、所得税が安くなります。一方「乙」は副業扱いで、所得控除が考慮されないため、より多くの税金が源泉徴収されます。
掛け持ちバイトの場合、どちらか一方のみを「甲」として登録し、他は自動的に「乙」になります。そのため「乙」のバイト先では、たとえ年間の収入が103万円以下でも所得税が引かれてしまうのです。
103万円以下の収入と非課税の関係
日本の所得税制度では、年収103万円以下(給与所得のみ)の場合、基礎控除48万円と給与所得控除55万円を合わせた103万円までは課税されないと定められています。
つまり、実際の課税所得は0円となり、本来であれば所得税を支払う必要がない水準です。にもかかわらず、「乙」で働いていると源泉徴収されてしまうのは、控除が適用されないからです。
確定申告で還付される仕組み
年末時点で、全てのバイトの合計年収が103万円以下である場合は、確定申告を行うことで、「乙」で源泉徴収された所得税を取り戻す(還付)ことができます。
たとえば、乙で月2万円×12ヶ月=24万円を稼ぎ、所得税が5%として1,200円引かれていた場合、その1,200円が返ってくる可能性があります。
この還付を受けるためには、2月中旬〜3月中旬の確定申告期間中に、税務署またはe-Taxを通じて申請する必要があります。
必要な書類と手続きの流れ
- すべてのバイト先の源泉徴収票(1月下旬までに送られる)
- 本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード+身分証)
- 振込先の銀行口座情報
- 国税庁のe-Taxサイトまたは最寄りの税務署での申告手続き
e-Taxなら自宅からでも申告が可能で、還付も早く進む傾向があります。
バイトの掛け持ちをするときに注意したいこと
今後もバイトを掛け持ちする可能性がある場合は、メインの収入源を「甲」とし、それ以外は「乙」にしておくことが基本です。ただし、複数のバイト先で年間合計が103万円を超えると、扶養控除の対象から外れてしまうことがあるため注意が必要です。
また、住民税の申告が必要な場合もあるため、自治体の窓口で相談しておくと安心です。
まとめ:103万円以下でも確定申告は損しないために必要
2024年に掛け持ちバイトをしていた大学生でも、年収が103万円以下であれば、確定申告をすることで「乙」で引かれた所得税の還付を受けられる可能性があります。
少額とはいえ、自分で取り戻す手続きをしない限り戻ってこないお金です。一度申告の流れを覚えれば、今後の就労でも活用できる知識となります。迷った場合は、税務署や学校の相談窓口に早めに問い合わせてみましょう。
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