配偶者が65歳を迎えると、健康保険や年金の仕組みにいくつかの変化が生じます。特に専業主婦やパートタイマーなど、第3号被保険者として扶養されていた妻にとっては、保険の種別が変わる可能性があるため、注意が必要です。
第2号・第3号・第1号被保険者の違いとは?
まず前提として、国民年金制度では加入者が3つの被保険者区分に分かれます。
- 第1号被保険者:自営業、フリーランス、無職などの人(国民年金に個別加入)
- 第2号被保険者:会社員、公務員など厚生年金に加入している人
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)
つまり、妻が第2号被保険者になるには、自らが厚生年金に加入する就労状況にある必要があります。
夫の65歳到達と健康保険の影響
夫が65歳になると、通常は会社の健康保険を退職等で脱退し、「後期高齢者医療制度」に移行するか、継続被保険者制度(任意継続)を選ぶことになります。
夫が厚生年金を外れると、妻は「第3号被保険者」の資格を失う可能性があり、そのままでは無保険になるリスクが生じます。
妻が第2号被保険者になるには?
妻が第2号被保険者になるには、自身が社会保険に加入する就労条件を満たす就業をしていることが前提です。目安としては以下の条件があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収が8.8万円以上
- 雇用期間が2か月以上見込まれる
- 従業員数101人以上の会社であること(条件により501人以下も対象)
この条件を満たして勤務先の社会保険に加入すれば、自動的に第2号被保険者となります。
第1号被保険者になるケースとその手続き
一方で、上記の要件を満たす勤務先がない、または無職である場合、妻は国民年金の第1号被保険者として自ら加入手続きを行う必要があります。
この場合、日本年金機構や自治体の年金窓口で「種別変更届」または「国民年金被保険者資格取得届」を提出します。届出を怠ると保険料の未納扱いとなる可能性があるため注意しましょう。
注意点:健康保険と年金は別の制度
混同されがちですが、健康保険と年金制度は別の制度です。夫の退職によって妻が扶養から外れた場合、健康保険(協会けんぽや国保)への加入手続きも個別に必要になります。
国民健康保険への加入も、市区町村の窓口での申請が必要です。必要書類や申請期限を確認しましょう。
まとめ:夫の65歳到達時に必要な妻の対応とは
夫が65歳になると、年金・健康保険の仕組みが変わるため、妻も自動的に被保険者種別が変更される可能性があります。自身が会社勤めなどで社会保険に加入していれば「第2号被保険者」に、そうでなければ「第1号被保険者」となり、自ら手続きが必要です。
夫婦それぞれの年齢・就労状況に応じて、必要な手続きを忘れず行うことが大切です。将来の年金額にも関わる重要な手続きですので、早めに市役所や年金事務所で相談しましょう。
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